一般書(249)
ORIGINS
原始の地球、創造の40億年を巡る旅
世界報道写真コンテストを4回受賞した写真家がとらえた、150枚を超える美しすぎる地球の姿。絶景から学ぶ、生命創造の歴史。
ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー賞、
ワールド・プレス・フォト・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した写真家がとらえた、
天地創造を彷彿させる未開の自然の美しさ。
この絶景を、私たちは守れるだろうか?
150枚を超える写真で体感する、人類が生まれるまでの物語。
■あらすじ
天地創造を思い浮かばせるシーン、かつて味わったことのない大きな感動、未開の自然の美しさ……。オーロラや流れ星、潮の満ち引きが存在するのは、この地球が宇宙から誕生した証である。激しく流れる大河、噴出する溶岩、揺れる大地は、地球がとてつもないエネルギーに動かされていることを示している。大きな山に、滝や峡谷が刻まれているのを見れば、水や風による侵食の力、過去の寒暖の激しさに思い至る。シダやソテツ、コケが生い茂る
さまは、太古の森のようすを教えてくれるようだ。ギリシア神話の怪物ゴルゴンのごとく奇妙な姿をした毛虫、鎧兜を身につけているような甲虫たちを見ると、いったいなぜそんな姿になったのかと想像してしまう。起源の問題はいまだ神秘のなかにあって人々を魅了しつづけているのだ。
世界の起源を知ることは、20万年前に誕生した現生人類(ホモ・サピエンス)と地球との波乱に満ちた関係を知ることでもある。かつて人間は自然を崇拝し、手本とし、恐れていたにもかかわらず、やがて自然を支配するようになった。現在、私たちは悲しい矛盾と向き合っている。人類史上で最も自然の大切さが叫ばれている一方で、いまだかつてないほど自然は脅かされているのだ。地球の歴史を知ることで、環境問題を少しでも身近に感じてもらいたい。本書をめくりながら時間と空間を旅し、さまざまな生物たちに出会うこと、それが自然と新しい関係を築き、人類の故郷である地球をいつくしむきっかけになることを、心から願っている。
■監修の言葉
この本を読むことは、まるで「地球旅行」のようである。そしてその旅は、あなたの人生を少しだけ豊かにしてくれるだろう。それは単なる知識の吸収ではなく、地球や生命の息吹を感じる経験にもなるはずだ。構える必要はない。思うままにページを繰ってみていただきたい。
大島光春(神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸員)
▲P.38-39 ニーラゴンゴ山の溶岩湖 。深さ500mの大鍋がぐつぐつと煮えたぎりながら、巨大な瞳で夕暮れの空をにらみつけている。
▲P.68-69 塩分濃度 30~50%の水、110℃の温泉、超強酸性の湖……あらゆる極限環境が集まるダロル山。