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ポプラ社小説新人賞

第2回

受賞作品

第2回ポプラ社小説新人賞

第2回ポプラ社小説新人賞は、690通のご応募をいただきました。
一次選考では41作品、二次選考では10作品が選ばれました。そして三次選考を経て、最終候補4作品を決定、下記の作品が新人賞の受賞となりました。

受賞作(新人賞)
『お任せ! 数学屋さん』向井湘吾(応募時筆名:タイジュ)
受賞作(特別賞)
『花の魔女』青谷真未

最終選考作品

  • 『お任せ! 数学屋さん』 向井湘吾 (応募時筆名:タイジュ)
  • 『生後二一六カ月ベイビー』 こまつあやこ
  • 『リバーシブルデイズ』 江原裕二
  • 『花の魔女』 青谷真未

講評

全体講評

第2回ポプラ社小説新人賞には、690作の応募をいただきました。
一次選考では41篇を通過とし、二次選考では10作品に絞り込みました。
その後最終候補作として下記の4作品を決定しました。

今回の最終候補作には、図らずも青春小説が揃いました。選考会には弊社社長の坂井を選考委員長とした計10名の選考担当者が臨みましたが、受賞作となった二作品を推す者が多く、満場一致での受賞作決定となりました。

新人賞の『お任せ! 数学屋さん』は、展開のユニークさもさることながら、4作中もっとも輝きを感じる作品との声が高く、他を押さえての受賞となりました。このほか、今後書籍化を見込める作品を特別賞として1作品選出しました。詳しくは、各作品の講評をご覧ください。

同時に第3回ポプラ社小説新人賞の募集を開始いたします。
新しい才能に出会えることを期待し、みなさまのご応募をお待ちしております。

  • ポプラ社小説新人賞事務局
  • 吉田元子
  • 2012年12月20日

最終候補作品講評

新人賞『お任せ! 数学屋さん』向井湘吾
数学の苦手な中学2年生の渚の前に、不思議な転校生・宙が現れた。彼の夢は「数学で世界を救うこと」。転校してから1週間。宙は、どんな悩みでも、数学の力で必ず解決してくれるという「数学屋」なる謎の店を、教室内で開店するのだが――。
「数学」を謎解きのベースにおいた、新しい青春小説。小説の冒頭では、学校での日常の謎を――たとえば、女子と男子の校庭の場所取り合戦を数学によって解決するなど、主人公たちが探偵役となって見事、問題をおさめていく。もちろんそのやり取りも面白いのだが、それは単なる物語の序章でしかない。この小説がもっとも描き出そうとしているのは「複雑な人間の気持ちを、数学で解こうとする」ところにある。最後には、華麗なドンデン返しもあり、読者はカタルシスを得ることができる。数学が、これほどロマンチックなものだったのかということを感じさせられる。キャラクターを描くのも上手く、書き手としての将来性も感じられ、満場一致で、この作品の受賞が決まった。
特別賞『花の魔女』青谷真未
学園には魔女が棲んでいる――そんな噂のある女子高に通う遠子は、中学時代に受けたイジメが原因で、他人を信じることができず表面的なつきあいに終始しているが、クラスメイトの真奈美のことだけはなぜか気になってしかたがない。或る日、自分のことを「魔女」と名乗る少女に出会った遠子は、気まぐれに「真奈美さんの手から植物が生えるようにして」と願う。その翌日から、真奈美の左手は包帯に覆われ、部活も休むようになる――。
ある女子高を舞台に描かれる、「少女たち」が主人公の連作短編小説。思春期特有の少女の繊細な感情の揺れ動きが丁寧な筆致で書き込まれていて、作品のたたずまいが吉田秋生氏の漫画『櫻の園』を彷彿させる。書き手としての将来性が高く評価される一方で、最終章で魔女の正体が明かされる「謎とき」の過程に疑問が残る点や、一部のキャラクター造詣に物足りなさが残る点等が指摘され、特別賞の受賞となった。
『生後二一六カ月ベイビー』こまつあやこ
父母の離別により、父と、父方の祖母と暮らす十八歳の主人公、凛。母親がわりの祖母は、若い頃に出産し凛を置いて家を出て行ってしまった母親のことを毛嫌いし、日々愚痴を言い募る。凛は祖母の支配のもと、母親を恨み、恋愛は後ろめたいものという思いを抱いていた。しかし、エスカレートする祖母の支配は、凛をますます追い詰めていく。そんな中、凛は初めての恋をするのだが――。
子供から大人へ、支配からの脱却が、丁寧に描かれている成長小説。自分とは似ても似つかない、母、祖母、父に囲まれた、違和感のある家庭環境で育ちながらも、自分の道を懸命に探し出そうと葛藤する主人公の心の動きに、心を奪われる。ストーリーに大きな動きはないが、共感度の高い物語だった。応募作の中でも群を抜いてテーマ性を強く感じる作品だったが、それを小説に昇華させる筆力不足を指摘され、残念ながら受賞には至らなかった。
『リバーシブルデイズ』江原裕二
 かわいいものや女の子っぽいものが好きなことが原因でクラスになじめない男子中学生の倉崎敬は、ある日公園で出会った変なおじさんにそそのかされて女装をし、開放感を味わうが、その姿のまま思いを寄せる同級生の少女に出くわしてしまう。「女装」という隠し事を軸に、同級生女子たちとの交流を深めるなかでそれぞれが成長していく青春物語。
 会話だけでストーリーを進める嫌いはあるが、テンポが軽妙で、登場人物のキャラクターが個性的にはっきりと書き分けられており、読ませる力がある。とくに、内向的な性格の主人公を自分のペースに巻き込み引っ張っていく「公園のおじさん」が魅力的。後半で、少年を「性同一性障害」とする点が、物語上での必然性が感じられず、性同一性障害の定義とも合わないなどの指摘があり、受賞にはいたらなかったが、今後の作品に期待したい。

選考経過

1次・2次選考経過

第ニ回ポプラ社小説新人賞 一次・二次選考通過作品発表
第2回ポプラ社小説新人賞は、690通のご応募をいただき、下記の41篇が1次選考を、そのうち10篇が2次選考を通過いたしました。

タイトル名著者名2次選考通過
69億分の1の太陽村山小弓
恥知らず渋谷七恵
来たれ! ハマ東マンドリン部!晴海まどか
赤い夢風船蔵松辰里
ぶくぶく睦月みと
リリィ・マグノリア村崎直
お任せ! 数学屋さんタイジュ
くれなゐ君日河翔
非セレブウーマンでこぼこ物語前川うづき
バーコード男甲田智之
彼が望んだ罪は高貝誠
森と椎奈と石と侍やましたいちか
光とロックンロールと僕。谷津倉佑季
花束には愛を込めて桜孝一郎
最後の雨吉森悠三
河内夢色ワイナリー来生紀之
七ころび八おき藁山花太
床下から愛をこめて森岡暁史
アイをミル高山ケースケ
堕ちてきた者達羽田徹郎
夕空の丘へ畠田健二
生後二一六カ月ベイビーこまつあやこ
止まない雨の中で、飛松紅葉
&G(アンドゴースト)龍山甲斐
悩み相談犬井口恭子
オカルト弁護士のセレンディピティ山本真理子
メデューサの温もり葵颯太
リバーシブルデイズ江原裕二
ダンスパーティー草花由
精霊憑き光里由喜
氷点下ガール髙橋聖矢
丸顔のはんにゃ鍋田圭子
バンドエイド山田夏生
花の魔女青谷真未
母猫坂戸このみ
ポストキッズ砂原葉河
仏壇を壊せ!麻宮ゆり子
桜吹雪と解散公演藪博晶
アンチ名探偵~黄金の試問~篠原龍太郎
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