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ポプラ社小説新人賞

第9回

受賞作品

第9回ポプラ社小説新人賞

第9回ポプラ社小説新人賞は、611作のご応募をいただきました。
一次選考では、71作を通過とし、二次選考では14作品に絞り込みました。
そして三次選考を経て最終候補4作品を決定、下記の作品が新人賞の受賞となりました。

受賞作(新人賞)
『Bとの邂逅』宮本志朋
受賞のことば
新人賞 宮本志朋さん

貴重な機会を授けて頂きありがとうございます。嬉しさ以上に身の引き締まる思いです。
本作がより多くの方に読んで頂けることを強く願います。
携わってくださった方々へ心より感謝いたします。気持ちを新たに、かつ、初めの気持ちを忘れずこれからも作品へ取り組んでいきたいと思いますので、楽しみにして頂けますと幸いです。


受賞作(特別賞)
『シガーベール』北原一
受賞のことば
特別賞 北原一さん

生きていくことの難しさや尊さ、そして優しさについて、自分の中に溜まっていた言葉をなんとか形にしたくて、このお話を書きました。
微力ながら、この物語がほんの少しでも誰かの現実を肯定できるような作品になっていてほしいと願っています。
そして、たったひとりでもいいので、この物語を読んで「これは自分の為に書かれたものだ」と感じてくださる方がいたのなら、それ以上の喜びはありません。
賞を頂けたことに対して、未だに喜びよりも驚きが勝っていますが、今はただ、選んでいただいたことと、作品が世に出ることへの責任を果たしたいと思っています。
特別賞、本当にありがとうございました。


受賞作(奨励賞)
『隠れ町飛脚・三十日屋余話』鷹山悠
受賞のことば
奨励賞 鷹山悠さん

この度は奨励賞に選出いただき、誠にありがとうございます。選考に携わってくださったポプラ社の皆様をはじめ、応援してくれた家族、小説講座の鈴木輝一郎先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
本が好きな子どもでした。初めて投稿した小説を書き上げた瞬間をついこの間のように覚えていますが、気がつけばかなりの年月が過ぎてしまいました。
こうやってスタートラインに立たせていただけることになり、本当に感慨深いです。
現実世界は、なかなか「頑張れば報われる」わけではありませんが、実は自分でも気づかない何かが「きらめいている」ことを、読んでくださる方に楽しみながらも感じてもらえるような作品を書いていきたいと思います。
未熟ではありますが、全力で精進していく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。


最終選考作品

  • 『Bとの邂逅』宮本志朋
  • 『シガーベール』北原一
  • 『カンブリアのさなぎ』仲田鏡未
  • 『隠れ町飛脚・三十日屋余話』鷹山悠

講評

全体講評

第9回ポプラ社小説新人賞には、611作のご応募をいただきました。
一次選考では71作、二次選考では14作が選ばれました。
その後三次選考を経て最終候補作として下記の4作品を選出しました。

今回の最終候補作には、心の機微を優しく掬い上げる作品が揃いました。選考会には弊社社長の千葉均を選考委員長とした計16名の選考委員が臨み、作品についてさまざまな意見を交わしました。
その中で、「生きづらさ」を抱えた生徒と教師の一筋縄ではいかない奇妙な関係を描いた『Bとの邂逅』は、重厚かつ多層的なテーマに正面から向き合い、かつ圧倒的なエンターテインメント性と時代性を兼ね備えており、高い筆力と可能性を感じさせる作品として新人賞受賞となりました。
また、『シガーベール』は、顔の痣を気にして心を閉ざす高校生の心の回復を描いており、細部に気になる点はあるものの、胸を打つ心情描写などが評価され特別賞の受賞となりました。
『隠れ町飛脚・三十日屋余話』は、曰く付きの物を届ける「裏飛脚屋」を舞台にした連作短編で、文章や構成に粗い部分が目立つものの、キャラクターに魅力があり、読み手を引き付ける場面が描けている点が評価され奨励賞の受賞となりました。

詳しくは、各作品の講評をご覧ください。

同時に第10回ポプラ社小説新人賞の募集を開始いたします。
新しい才能に出会えることを期待し、みなさまのご応募をお待ちしております。

  • ポプラ社小説新人賞事務局
  • 吉川健二郎
  • 2020年1月17日

最終候補作品講評

『Bとの邂逅』 宮本志朋
子どもの頃から「普通じゃない」と言われてきた高校生の広一は、担任の美術教師の二木の「秘密」を知っている。万引きが見つかった際、親の代わりに二木を呼んだことがきっかけで、二木の秘密を黙認する代わりに、広一は、自ら書いた小説の感想をもらうことになる。
二木の抱える「秘密」は個性と社会の極度の緊張を問う難しいテーマで、選考会でも議論の焦点となったが、そのテーマをとても丁寧に真摯に描ききっている。一方、広一と二木の奇妙な関係が物語を牽引し、エンターテインメント性も非常に高い。圧倒的な筆力と完成度を兼ね備えており、新人賞の受賞となった。
『シガーベール』 北原一
高校2年の夕作まことは、顔の痣を化粧で隠し、人との交流を避けている。ある日、早朝の新聞配達のアルバイトの帰りに、クラスメイトの槙野志帆が公園で煙草を吸っているのを目撃する。後日、槙野にファンデーションを持っていることを知られた夕作は、槙野と少しずつやりとりするようになるのだが……。
夕作の繊細な心の動きが丁寧に書かれている作品。新しくはないストレートな青春成長小説ではあるが、人との交流によって主人公が閉ざしていた心を少しずつ開き、最後には相手に踏み込んでいく変化の様子が、読み手の心をも動かす。痣のコンプレックスの扱い方など課題もあるが、今後の可能性を期待され、特別賞の受賞となった。
『カンブリアのさなぎ』 仲田鏡未
お盆を大叔母・凌子の田舎で過ごすことになった泉水。凌子の孫の滄、凌子の田んぼを耕している泰斗らとの交流の中で、泉水は自分を見つめなおしていく。
畑での収穫やそれを使った料理と行事など、田舎で過ごす夏休みの情景が清々しく描かれている。文章は読みやすいが、泉水を含めたキャラクターに魅力をあまり感じられなかった。ストーリー構成としても起伏が弱く、受賞とならなかった。
『隠れ町飛脚・三十日屋余話』 鷹山悠
事故で息子を失った静は、手習いの手伝いの傍ら、隠れ町飛脚「三十日屋(みそかや)」を営んでいる。通常の飛脚では請け負わない「曰くつき」の仕事を行う店には、さまざまな事情を持つ依頼人が訪れる。
名前の分からない初恋の相手に文を届ける、亡くなった妻に手紙を届けて返事をもらうなど、それぞれの依頼に捻りが効いている。設定は魅力を感じさせるが、肝心のドラマが説明的に進むため、読者が感情移入しにくい部分が散見された。キャラクターや文章など、他の受賞作と比較して粗さはあるものの、エンターテインメント性の高い設定を作れる力が評価され、奨励賞の受賞となった。

選考経過

1次・2次選考経過

第9回ポプラ社小説新人賞 1次・2次選考通過作品発表。
第9回ポプラ社小説新人賞は、611通のご応募をいただき、下記の71篇が1次選考を、うち14篇が2次選考を通過いたしました。

タイトル名著者名2次選考通過
骨折ガールズ~転んでもタダじゃ起きない女たち~東野みゆき
未完の復讐名井陽
傍にいる人桔梗素子
江戸の女達(駆込寺満徳寺、寺役宿聞き書き帳)岡田一郎
ナツミのナツヤスミ嶋内れい
僕らの夏は来る有咲結
カン、タン地味伊達也
じゆうのはこたち山本橙実
僕の神様夜乃ひつじ
夏休みと悪夢依田歩野
コンペイトウ・シンドロームはあの場面から野口祐加
義経を追って松島美穂子
お役所レストラン玉廼葉村重
そして彼らは少女を救う旅に出る。柳原一成
亡者探偵ソウジコーホソ川ユカコ●
十年後の誕生日に大きなケーキを咲良菜生
光陰矢の如し湯菜岸時也
送り行灯宮路怜月
蕎麦自慢はお里が知れる三ツ矢柚子
デイドリーム・ビリーバー北沢あたる●
花火のあとで青山アマネ
セラピーズ!高岡良竹●
アンドロメダに向かうこどもたち立原花穂
僕は怪獣広瀬建人●
その風はいつも、私たちより青い。吉田隆之●
いつかはなれてしまう君へ-The One-いぐるみ明日香
ファントム・ペイン西山由美●
林檎女史 体内工場奮闘記道具小路
フィルム七浜凪
Last田上ゆき音
Bとの邂逅宮本志朋●
君に恋したぼくは嫌われる松村聖一
アイコンタクト井上健一郎
携帯の中の幽霊なち島景将
ゾンビ探偵死村霊太郎の冒険塚田遼
水木の源流満糸通
ヴぉけとれかれじ橋本慎吾●
逃げんな! エンタメボーイ丘紫真璃
SORAとキズナと橋本美香
跳べ翔太郎室田寛永
僕のくしゃみは君を待つ金野紗季
トイトイトイ!絵梨川ヴィネトカ
アヴァンのあとで森春子
萌えよ、トウエルブ、ラララ、ラグビー部尾島和雄
YとNの生活雪野あおい
龍雨町、雨のできごと雪野あおい
虹色のカンヴァス蓑修吉
さまよう鹿のように藤本あずさ
神様がくれた時間小原美智子
受け止めてディスティニー嶋村薫
マイディアファミリー大枝栞
君が恋した人魚の歌あさげ羽斗子
それを最高の音で聴いたなら世一英佑
僕の名は……。及川香音●
あの日の君を僕は覚えていない朝矢たかみ
他人の空似松本裕人
翠雨サイダー水瀬朔●
Sing高野紗友子
僕の車で泣くおんな津上友香
シャッター商店街のお子さまランチ武田加代子●
原爆をください須田碇
シガーベール北原一●
ひがしらの惣市小田賢一
君が僕でないように碧月杏
カンブリアのさなぎ仲田鏡未●
アンデッドの渦工藤不羅
老犬介護秋吉福朗
ヤギちゃんの目玉焼き尾鷹佑海
仮面の深淵武田浩太郎
星とスモア根尾ネヤオ
隠れ町飛脚・三十日屋余話鷹山悠●

応募の決まり

第9回ポプラ社小説新人賞 作品募集
あなたの〝面白い〟を届けてください。

ポプラ社小説新人賞は今年で第9回を迎えます。
前身のポプラ社小説大賞を含めると、『食堂かたつむり』の小川糸さん、『四十九日のレシピ』の伊吹有喜さん、『お任せ!数学屋さん』の向井湘吾さん、『ビオレタ』の寺地はるなさんなど、数々の人気作家の方々がデビューされてきました。

以前より続く、弊社の新人賞の特徴は、編集部にて審査を行うということです。
一人の読者として、純粋に〝面白い〟と思い、一人の編集者として、最高の一作をともに作り上げたい、と願う作品を選びます。
皆さんが誰かに届けたい〝面白さ〟が凝縮された作品を、編集部一同心よりお待ちしております。

対象 エンターテインメント小説を求めます。
ジャンルは問いません。
日本語で書かれた自作の未発表作品に限ります。
原稿枚数 400字詰め原稿用紙換算200枚~500枚。
手書き原稿は不可とします。
ワープロ、パソコンなどで、A4判の用紙を横置きにし、1枚あたり40字×35行にて縦書きで印字してください。また、必ず通し番号を入れてください。
フォーマット 1枚目にタイトル、氏名または筆名(フリガナ)、400字詰め原稿用紙換算枚数をお書きください。
2枚目以降に内容紹介(原稿用紙1-2枚程度)を書き、本文の前に添付してください。
別紙にタイトル、氏名(フリガナ)、筆名(フリガナ)、性別、職業、年齢、略歴、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、この賞を何で知ったか、を必ず明記し、作品と一緒に綴じず、同封してください。
※原稿は紐でとじずにダブルクリップでとめて下さい。
選考 編集部にて審査
賞 新人賞 正賞記念品  副賞200万円
※入賞作品はポプラ社より刊行
締め切り 2019年6月30日(当日消印有効)
今年の募集は終了しました
発表 2019年12月10日(ポプラ社ホームページおよびポプラ社発行PR小説誌「asta*」にて)
諸権利ほか 入賞作品の出版権及び二次(的)利用の諸権利は弊社に帰属します。出版の際には規定の印税が支払われます。
注意点 応募原稿はいかなる場合にも返却しません。
必ずコピーをお取りください。
他の文学賞との二重投稿は失格とします。
審査に関するお問い合わせには一切応じられません。
応募先 〒102-8519 東京都千代田区麹町4−2−6 住友不動産麹町ファーストビル9階
ポプラ社内「ポプラ社小説新人賞事務局」

※応募された方の個人情報は適正に管理し、本小説新人賞以外の目的に利用することはありません。

よくあるご質問はこちら
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