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ポプラ社小説新人賞

第6回

受賞作品

第6回ポプラ社小説新人賞

第6回ポプラ社小説新人賞は、694通のご応募をいただきました。
一次選考では、29篇を通過とし、二次選考では18作品に絞り込みました。
そして三次選考を経て最終候補5作品を決定、下記の作品が新人賞の受賞となりました。

受賞作(新人賞)
『パドルの子』 虻川枕

最終選考作品

  • 『暗転の瞬き』山木晶弘
  • 『お役所仕事』桐生燈子
  • 『九十九堂異聞録~ミケさんの業務日報~』安崎依代
  • 『パドルの子』虻川枕
  • 『女王のリバーダンス』吉田隆之

講評

全体講評

第6回ポプラ社小説新人賞には、694作のご応募をいただきました。
一次選考では29篇、二次選考では18作品が選ばれました。
その後三次選考を経て最終候補作として下記の5作品を決定しました。

今回の最終候補作には、青春小説からファンタジーまで幅広い作品が多く揃いました。選考会には弊社社長の長谷川を選考委員長とした計11名の選考担当者が臨み、作品についてさまざまな意見を交わしました。
その中で、高校生の心情をみずみずしく描いた『パドルの子』は、荒削りな部分はあるものの、書き手としての感性に高いセンスを感じさせられる作品として新人賞受賞となりました。
詳しくは、各作品の講評をご覧ください。

同時に第七回ポプラ社小説新人賞の募集を開始いたします。
新しい才能に出会えることを期待し、みなさまのご応募をお待ちしております。

  • ポプラ社小説新人賞事務局
  • 吉田元子
  • 2017年1月10日

最終候補作品講評

新人賞『パドルの子』虻川枕
屋上に現れる水たまりに飛び込んで強く願うと、世界を1箇所だけ変えることができる行為=パドル。パドルは人の記憶も塗り替え、過去と未来を変える。主人公・水野は、そのパドルという行為の存在を知り、親友だった男子生徒の三輪や、学校一の美少女・水原、担任の大森にまつわる謎を少しずつ解き明かしていく。
文章や言葉選びのセンスのよさ、作品のオリジナリティ、何か新しいものを書こうとする姿勢に対して評価が高く、新人賞受賞となった。ある種SF的な設定も、やや無理がある展開ではありながらもなんとか全体をまとめ上げており、最後まで読ませるだけの筆力がある。細かな設定の綻びも見受けられるが、今回の候補作の中でもっとも将来性を感じさせられた作品である。
『暗転の瞬き』山木晶弘
お笑い芸人の道を諦め、32歳で印刷会社に転職した主人公。お笑い時代の苦労を思い出しつつ、ブラックな職場でなんとか仕事をこなしていたが、病気の母が実は主人公が芸人になるのを楽しみにしてくれていたことを知り、芸人への未練がまだ残っていることに気付かされる。
作品としては十分に成立しており、面白く読ませる作品だった。全体を通してとても説得力があり、書き口も安定していてリーダビリティも高い。しかし物語の着地点に意外性がなく、人物描写が類型的であること、また作品に新しさが感じられないというところで評価を落とし、受賞にはいたらなかった。
『お役所仕事』桐生燈子
異世界・妖精国に落ちてしまった主人公サチは、イケメン妖精のお役所仕事を手伝うことになる。デブスで腐女子の自分がコンプレックスだったが、容姿にかまわない異世界で持ち前の力を発揮することで、自信をつけていく……。
主人公がBL好きという設定が活きている。文章にもセンスがあり、テンポよく読ませる力を感じた。
物語の導入と結末は、パターン化されているともいえるものなので、メインであるファンタジー世界を、もっと立体的にオリジナリティ溢れる形で描き出せれば、この作品自体の個性となりえたと思われるが、そうした部分の密度がまだ足りていないという意見が多く、受賞には至らなかった。
『九十九堂異聞録~ミケさんの業務日報~』安崎依代
修繕屋・九十九堂を営むのは、土地神であるミケ・三輪。彼らが守護する町で起きる事件を解決していくうちに、後ろに潜んでいる黒幕が見えてきて――。
曰くのあるお店で、イケメン、美女に姿を変えた神々が、現実で起きる不可思議事件を解決する……という構図はパターンではあるが、そこを丁寧に描いている。連作短編で、各話が温かな終わり方をしているのも読み心地がよい。
ただ、それぞれの話に厚みが薄く、全体的に起伏が少ない。また、キャラクターの魅力が伝わりにくかったこともあり、受賞にいたらなかった。
『女王のリバーダンス』吉田隆之
吹奏楽の有名高校で、3年になってAバンからBバンに落ちてしまった、バリトンサックス吹きの男子の話。コンクールを嫌っている「Bバンの女王」鮎川が、最後のコンサートは「リバーダンス」を合奏する、と発表し……。
いわゆる「競争」と「楽しさ」のどちらを目指すべきかをテーマにした作品で、等身大の学生の日々を丁寧に描いており、筆力の高さを感じた。
だが、1軍のAバンと2軍のBバンとの対立は特になく、主人公の人間関係も良好で、葛藤がなく作品全体の起伏に欠けるという印象を受けた。
また、吹奏楽を取り扱った作品が多い中で、作者自身の新しい切り口というものが見えなかったこともあり、受賞とならなかった。

二次選考通過作品

『梢を吹く風』 渋谷研一
時代小説のポイントを抑えており、鷹匠という設定とエピソードは楽しく読んだ。しかし枠の中で収っており、そこから飛び出す新味を加えて欲しかった。
『輪廻~吉原怪異譚』 櫻井彰斗
吉原の怪異譚という舞台は良いが、文章が読みにくい印象を受ける。現代と過去が交錯するが、多くが過去の物語であり、現代とリンクさせる必然性をより高めて欲しかった。
『波に刻む 彫刻師伊平伝』 山上籐吾
文章は書きなれている印象で、リーダビリティは高い。だが、彫刻師の主人公に挫折や苦悩が少なく、話が平坦になっているため、ドラマ性を加えて欲しかった。
『涅槃の雪』 名波晴介
家族の日常が淡々と描かれる。福井の造り酒屋という舞台は魅力的なので、「造り酒屋」という舞台ならではの物語を読みたかった。
『DIG』 RAKU
キャラクター小説としてリーダビリティが高い。しかしオリジナリティに欠ける点と、回収されていない設定などが気にかかり、より構築度の高い世界の物語を読みたかった。
『月と狸』 芥辺うた
化け狸と少女の交流が淡々と進み、物語の起伏が薄い印象。設定やキャラクターをより活かして欲しかった。
『オサラギさん』 真野ゆき子
イヤな人をイヤな感じに描けるなど、人物描写力は高い。しかしながら、最後までカタルシスがなく、消化不良感を受けてしまった。また、タイトルと内容のマッチに疑問が残った。
『紫陽花生花店と冥界事情』 村井織部
キャッチーな世界観ではあるが、細部のディテールに甘さを感じた。選抜された店が日本に偏っていたり、国籍が違っていても話が通じるなど、設定の細部を更に構築して欲しい。
『もっとふざけろフレデリック』 千葉聡
姉のキャラクターは魅力的だが、主人公のカコに変化や成長が見られないため、青春小説として弱まってしまった。また書き手のメタ的構造になっているが、それは不要と感じられた。
『音楽の捧げものなんていらない』 前野公音
パイプオルガンビルダーという設定は非常に面白く、オルガンの調律の話など興味深い。しかしテーマに対してキャラクターが軽く、題材とキャラクターが合っていないように感じられた。

選考経過

1次・2次選考経過

第6回ポプラ社小説新人賞 一次・二次選考通過作品発表
第6回ポプラ社小説新人賞は、694通のご応募をいただき、下記の29篇が1次選考を、うち18篇が2次選考を通過いたしました。

タイトル名著者名2次選考通過
梢を吹く風渋谷研一
暗転の瞬き山木晶弘
お役所仕事桐生燈子
蝉の片羽江釣子和馬
難馬黒鉄と平下征五郎長谷川辛之
輪廻~吉原怪異譚櫻井彰斗
食わせ物岡弘俊己
波に刻む 彫刻師伊平伝山上籐吾
涅槃の雪名波晴介
九十九堂異聞録~ミケさんの業務日報~安崎依代
ハニークレイジーズ日野原奈緒
俳優茶屋 夕霧浅月真一朗
スキンヘッドに口づけを フリッツ・ハーバーの悲劇浜田美鈴
福音者の目覚め瀬野はこべら
DIGRAKU
月と狸芥辺うた
オサラギさん真野ゆき子
赤いラジオが歌う場所平島摂子
まっしろな青空さくら弥栄
パドルの子虻川枕
紫陽花生花店と冥界事情村井織部
もっとふざけろフレデリック千葉聡
音楽の捧げものなんていらない前野公音
LOVE OR LOVE空月光夜
笑う鳥、歌う島浅野恵子
女王のリバーダンス吉田隆之
中退エントランスこまつあやこ
魔法少女ペペマンジョウグレ
ストーカー刑事野村知之

応募の決まり

第6回ポプラ社小説新人賞 作品募集
あなたの〝面白い〟を届けてください。

ポプラ社小説新人賞は今年で第七回を迎えます。
前身のポプラ社小説大賞を含めると、小川糸さん、伊吹有喜さん、向井湘吾さん、寺地はるなさんなど、多くの作家の方々がデビューされてきました。

以前より続く、弊社の新人賞の特徴は、編集部にて審査を行うということです。
一人の読者として、純粋に〝面白い〟と思い、一人の編集者として、最高の一作をともに作り上げたい、と願う作品を選びます。
皆さんの思う〝面白さ〟が凝縮された作品を、編集部一同心よりお待ちしております。

対象 エンターテインメント小説を求めます。
ジャンルは問いません。
日本語で書かれた自作の未発表作品に限ります。
原稿枚数 400字詰め原稿用紙換算200枚~500枚。
手書き原稿は不可とします。
ワープロ、パソコンなどで、A4判の用紙を横置きにし、1枚あたり40字×35行にて縦書きで印字してください。また、必ず通し番号を入れてください。
フォーマット 1枚目にタイトル、氏名または筆名(フリガナ)、400字詰め原稿用紙換算枚数をお書きください。
2枚目以降に内容紹介(原稿用紙1-2枚程度)を書き、本文の前に添付してください。
別紙にタイトル、氏名(フリガナ)、筆名(フリガナ)、性別、職業、年齢、略歴、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、この賞を何で知ったか、を必ず明記し、作品と一緒に綴じず、同封してください。
選考 編集部にて審査
新人賞 正賞記念品  副賞200万円
※入賞作品はポプラ社より刊行
締め切り 2017年6月30日(当日消印有効)
発表 2017年12月8日(ポプラ社ホームページおよびポプラ社発行PR小説誌「asta*」にて)
諸権利ほか 入賞作品の出版権及び二次(的)利用の諸権利は弊社に帰属します。出版の際には規定の印税が支払われます。
注意点 応募原稿はいかなる場合にも返却しません。
必ずコピーをお取りください。
他の文学賞との二重投稿は失格とします。
審査に関するお問い合わせには一切応じられません。
応募先 〒160-8565 東京都新宿区大京町22-1
ポプラ社内「ポプラ社小説新人賞事務局」

※応募された方の個人情報は適正に管理し、本小説新人賞以外の目的に利用することはありません。

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