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ポプラズッコケ文学新人賞

第7回

受賞作品

第7回ポプラズッコケ文学新人賞

「第7回ポプラズッコケ文学新人賞」にご応募くださった皆さま、どうもありがとうございました。今回は、総数166編のご応募をいただきました。

 12人の選考委員で全作品を読ませていただき、17作品が2次選考に進みました。議論を重ね、その中から5作品が最終選考に進み、特別審査委員の那須正幹先生と、選考委員8名から評価の高かった、虹山つるみさんの「セパ!」が大賞に選ばれました。

 「セパ!」の主人公・藤倉翔は中学でバレー部に所属していたが、先輩にいじめられ、部活をやめてから学校には行っていない。スポーツ万能で勉強もできる二つ上の兄と自分を比べるたび苦しくなる翔。ある日、公園で一人でトレーニングをしていたら、謎の小学生、蓮に声をかけられる。「おもしろいもの見せてやる」といわれ、ついていくと、そこにはプラスチックでできたボールが転がっていた。翔は、蓮と出会い、セパタクローという新しいスポーツを知り、変わっていく――。

 心に痛みを抱えながらも、セパタクローに夢中になっていく翔の姿を軽妙なタッチで描いた作品です。仲間たちとともに、スポーツを通して自分の居場所を見つけていくというのは王道のテーマですが、終始明るい筆致に勢いを感じました。予定調和なところがある構成や、兄弟関係の描写不足など、未熟と感じられる部分もありましたが、翔が何度も追い詰められて落ち込んでは、また立ち上がる姿に選考委員から好感が寄せられました。試合シーンの臨場感も評価され、大賞と決まりました。今後の活躍を期待して、ポプラ社よりデビューしていただきたいと思います。

 ほか最終選考に残った4作品につきましては、それぞれに長所がありましたが大きな課題も多く、授賞には至りませんでした。詳しくは選評のほうで述べさせていただきます。ぜひ次回での飛躍を期待しております。

 今回、全体を通して選考委員が感じたことは、大人にゆだねたり、大人の世界にとらわれたりせず、自ら動く子どもたちを描いた作品が少ないということでした。「ズッコケ三人組」シリーズがそうであるように、すぐれた児童文学や、子どもの心に届くほんとうにおもしろい作品というのは、子どもたちが常に自分で考え、行動しています。大人たちも登場しますが、主体となるのはあくまでも子どもです。リアリズム、ファンタジーなどのジャンルに関わらず、やはり読者の目線に立って、共にワクワクドキドキできる作品になっているかどうか。書き手のみなさんにはその点をより意識して物語を生み出してほしいと切に願います。

 時代的に子どもたちが自由に行動するのがむずかしい社会でもあります。その中で2次選考に進んだ20代の応募者の作品には、子どもの力ではどうにもならない環境の中で、ひたむきに前を向こうとする主人公を描いた作品もあり印象に残りました。ぜひ再チャレンジしていただきたいと思います。「ポプラズッコケ文学新人賞」は今後も、子どもたちが主体的に考え、行動し、解決していく作品を求めていきます。登場人物が物語の中で生き生きと動き出すような作品、みなさまの力作のご応募を、心よりお待ちしております。

大賞 副賞100万円

受賞作(大賞)
『セパ!』虹山つるみ
受賞のことば
大賞 虹山つるみさん

 この度は、このような名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。私の拙い作品に可能性を見出してくださった那須正幹先生、ポプラ社編集部の皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 私を支えてくれる家族をはじめ、私と関わりのある方々にも、この場をお借りして感謝を伝えたいです。いつも本当にありがとうございます。

 「セパ!」は、「読んだ人が、笑って元気になれるスポ根が書きたい」という思いから生まれました。

 いろいろなスポーツを探し、あれこれ調べる中で、私はセパタクローに出会いました。選手が宙を舞い、ボールを蹴る――――その姿は、重力から解き放たれたように華麗で、その動きは鋭く鮮やかです。
「こんなかっこいいスポーツがあるなんて知らなかった……。セパタクローをする人の物語にしよう!」

 私はすぐに決めました。

 主人公の翔は、元々自分に自信のない少年です。家にも学校にも自分の居場所がありません。その上、いろいろな苦難が彼を襲います。「翔が気の毒すぎる……」と思いながらも、私は翔に次々と試練を与え、翔はそれを乗り越えていきました。翔といっしょに、ボールを蹴ったり、凹んだり、笑ったりしながら書き上げました。

 この受賞をスタート地点として、これから先もずっと、のびのびと物語を紡いでいきたいです。そして、気がついたら、心に残る作品がたくさん生まれていた、という作家になれたら最高だと思います。

 多くの読者の皆様と物語を通して出会えることを、心から楽しみにしています。どうぞこれからよろしくお願いします。

  • 虹山つるみ

講評

総評

 今回最終選考に残った五つの作品のうち、三編が、運動クラブを素材にした作品で、偶然だろうが、素材の性格上、ストーリーも似通ってしまっていた。
 もちろん、個々の作品なりにオリジナリティーがあり魅力もあった。例えば賞は逸したものの、クラスのレクリエーション大会の種目に、自分の好きな卓球を入れるべく奮闘する『チギータ!』は、クラス会の議論を通じて議会制民主主義の本質に迫っていて、いわゆる運動クラブものとは趣を異にしているのが興味深かった。
『Free Bird』も、父が監督を務めるミニバスケットチームに所属する男の子を主人公とする三百枚近い長編で、物語の完成度も高いのだが、東日本大震災についての記述や実在の有名人の評価が皮相的なところが気になったし、人間関係も類型的に過ぎた。

 最終的には、この作品と『セパ!』のいずれかを賞にすることで検討を重ねた結果『セパ!』を授賞作とした。

 本編も、中学のバレー部に所属する主人公が、先輩のいじめにあい学校にも行かなくなる。そんな折、公園でであった小学生の女の子からセパタクローという、足を使う球技を教えられ、たちまちのめりこむ。練習をするうちに仲間も増え、ついにチームを結成する。

 セパタクローという日本ではあまりなじみのないスポーツを子ども読者にいかにイメージさせるかが、この物語のネックになると思うが、個々の登場人物が生き生きしているところが評価され、今回の授賞が決定した。

  • (特別審査委員 那須正幹)

選評

「天の川通り星くず商店街 ななつぼし」 このゑなおるさん
小学六年生のちはるは、仲良くしていたはずの転校生ユイのある一言で、クラスのリーダー的存在であるせりなの反感をかってしまう。みんなに認められるために「誰も持っていないもの」を買ってくることになり、町中さがしまわるうちにたどり着いたのが、ふしぎな雑貨店「ななつぼし」。そこで織物工房を営む女性、ななこと出会い、ちはるは「天の川通り星くず商店街」に足をふみいれることに――。ちはる、せりな、ユイ、それぞれの視点で構成される連作短編。雑貨の名前のつけ方や、心の声を聞き取る虫といった魅力的な設定に評価が集まった。性格も家庭環境も違う3人の主人公たちの心情、それぞれの人間関係をもっと丁寧に描いてほしかった点、心のすれ違いを魔法で解決してしまった点が残念。本音を隠し合う女の子たちが自発的に気づきを得て、変化し、成長する姿を描いてほしかった。また、すでに同じような設定の良作が多くあることも指摘された。
「お父さんの落書き」 ひろつちさん
突然お父さんを亡くした五年生のこうた。隠れて泣いていたとき、お父さんが以前話してくれた「小学生のころの落書き」の話を思い出した。だれにも見つからず今も学校にあるといっていたその落書きを見るために、こうたは夏休みにお父さんの故郷へひとりで行くことを決める――。冒頭からワクワクさせられる設定で、いったいどんな落書きが残されているのか、想像をふくらませながら読めると評価が高かった。こうたの一人称で語られる文章も、無骨だが好感がもてた。ただ、中盤早々にお母さんが登場し、それ以降、子どもたちよりも大人の話になってしまうのが、期待が大きかった分非常に残念だった。両親やその親友の過去と現在も重要な要素ではあるが、こうたとたくや、ふたりの夏休みの冒険の話をもっと深めてほしかった。
「Free Bird」 諸星久美さん
小学六年生の神原ジロウは、弟のマサとともに、父である茂一が監督を務めるミニバスケットチームに所属している。ジロウにとっては、マサと父と一緒にバスケができる最後の年で、もっとうまくなりたいと練習に励んでいた。しかし、ジロウが新キャプテンに、マサがレギュラーに選ばれると、茂一の指導に不満を持つメンバーや保護者が現れ、思うようにバスケができなくなり――。構成がしっかりしており、家族・友人関係がきちんと描かれ、父・茂一の言葉には作者が伝えたいメッセージがしっかりこめられていた作品。力のある書き手だと推した選考委員がいる一方、震災の描き方や作中に登場する実在の人物に対する評価に偏りを感じ、より深い思慮や視点をもってほしいという声もあがった。純粋にバスケをやりたいジロウとマサを取り巻く、ままならない厳しい環境や、おとなたちの苦悩まで踏み込んで描いたところに筆力の高さを感じたが、全体的におとなの事情によった物語に仕上がっていたところで評価が分かれた。
「チギータ!」 蒔田浩平さん
引っ込み思案な性格の千田木寛仁は小学六年生。クラスでは地味な存在だが、卓球には自信があり、数少ない友達マッスーと日々練習している。そんなとき、クラスで月に一度のレクリエーションの時間に何のスポーツをするかを、ホームルームで決めることになった。いつもは、目立つ男子たちが推すバスケやサッカーになるのだが、寛仁とマッスーは卓球をやりたいと画策する――。多数決が絶対に正しくて、少数の意見は切り捨てていいのか、本当の公平とはどういう意味かなどを、ストーリーに沿って自然に読者も考えることになる。そのテーマの選定に新鮮さがあった。また、教室でレクリエーションを決めるという小さな物語設定だが、子どもたちのドラマとして描いているところに好感の声が多数寄せられた。一方で、全体的に理屈っぽく、子どもが行動する姿も意識して書いてほしかった点や、主人公たちに対立する優等生ドラゴがステレオタイプすぎる点、卓球シーンの物足りなさなどが指摘され授賞には至らなかった。

選考経過

応募総数166編。

12名の編集者で分担し、1次選考。判断に迷う作品については2名以上の編集者が読んでいます。
その結果、以下の17編が2次選考に進みました。

タイトル名著者名2次選考通過
おじいちゃんはスーパーヒーロー白入三吉
少年バンパイヤとキケンな夜豆田狸子
父さんが天国へ昇らなかったわけ小林功治
天の川通り星くず商店街 ななつぼしこのゑなおる
<グリザベラ>のお話会川村マミ
神守りの末滝野玲於
お父さんの落書きひろつち
終雪のあとで相沢燈
ぼくは野球がやりたい麻野ヨウ
和留憩小学校の人達やまもとまゆこ
Free Bird諸星久美
チギータ!蒔田浩平
放て希望を、左の拳から根岸甲
素敵な週末の過ごし方森小路なお
上海少年冒険譚梅村真司
セパ!虹山つるみ
ハーブ・クエスト~ハロウィーンの魔女の冒険~みずの瑞紀

※応募受付順、敬称略

2次選考では、11名の編集者が17編の作品すべてを読んだ上で議論を戦わせ、5編を最終選考に進めることとなりました。
最終選考は、選考委員長の那須正幹先生及び弊社会長、社長、児童書編集局局長、営業局児童企画部部長、14名の編集者で行いました。

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