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ポプラ社小説新人賞

第7回

受賞作品

第7回ポプラ社小説新人賞

第7回ポプラ社小説新人賞は、697作のご応募をいただきました。
一次選考では、67作を通過とし、二次選考では14作品に絞り込みました。
そして三次選考を経て最終候補6作品を決定、下記の作品が新人賞の受賞となりました。

受賞作(新人賞)
『跡を消す』 前川ほまれ
受賞のことば
新人賞 前川ほまれさん

 この度は第7回ポプラ社小説新人賞に選出して頂き誠にありがとうございます。
 私が本を好きになったきっかけは、幼い頃に、母が添い寝をしながら私に読み聞かせてくれた数々の絵本があったからです。その絵本たちは、どこまでも自由に幼い私を寝室から別世界へ連れ出してくれました。大人になった今でも、それは変わりません。
 受賞の連絡を頂いた際は、ただただ恐縮してしまいましたが、今は責任の重さを感じ、書き続けていきたいという確かな情熱を感じています。
 私はエンターテインメント小説を書き続けていきたいです。ただ面白い、楽しい話というだけではなく、強固な現実に立ち向かえるような、力強さを秘めた物語を生み出して行きたいと強く感じています。自分の想像力を駆使し、読んでくださる方々の中に何かを残せればと思いながら、これからも言葉と向き合っていきます。

  • 前川ほまれ

受賞作(特別賞)
『「私が笑ったら、死にますから」と、
水品さんは言ったんだ。』 隙名こと
受賞のことば
特別賞 隙名ことさん

 この度は、特別賞という素敵な賞を頂き、とてもとても嬉しく思っております。選んでくださったポプラ社の皆様をはじめ、多くの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
 今回の受賞作には、私が思う『面白い』を、ぎゅっと詰め込んでみました。
 ありそうで無さそうな職業、ミステリー要素、ライトな文章でヘビーな展開など……。どれも私が大好きなものです。
 そして、この話を書いていた頃は、色々なことをあれこれ考えていたような気がします。
「悪意を受け流すのと立ち向かうのとでは、どちらがいいのかな?」と、モヤモヤした問いを頭の中で転がしてみたり。「あー、こんな女の子かわいいなー。こんなお仕事があったら楽しそうー。あははー」と、フワフワした気分にどっぷり浸ってみたり。
 これからも全力で妄想しつつ、どうにかこうにか必死で、自分なりの作り話を作り続けたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

  • 隙名こと

最終選考作品

  • 『ギャルズフェンサー』雛井孝志
  • 『跡を消す』前川ほまれ
  • 『うさぎ探偵シャーロップ』雪白瑚葉
  • 『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』隙名こと
  • 『付喪神始末候』吉田杏
  • 『SUGURU』田上雪音

講評

全体講評

第7回ポプラ社小説新人賞には、697作のご応募をいただきました。
一次選考では67作、二次選考では14作品が選ばれました。
その後三次選考を経て最終候補作として下記の6作品を決定しました。

今回の最終候補作には、青春スポーツ小説から時代小説まで幅広い作品が揃いました。選考会には弊社社長の長谷川を選考委員長とした計13名の選考担当者が臨み、作品についてさまざまな意見を交わしました。
その中で、特殊清掃という仕事を扱った『跡を消す』は、重く難しいテーマに向き合いながら高いレベルでドラマが構築され、高い筆力と可能性を感じさせる作品として新人賞受賞となりました。
また、『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』は、架空の仕事を扱った作品で、構成やキャラクターに粗い所はあるものの、軽やかな書き口など、センスが評価され特別賞の受賞となりました。
詳しくは、各作品の講評をご覧ください。

同時に第8回ポプラ社小説新人賞の募集を開始いたします。
新しい才能に出会えることを期待し、みなさまのご応募をお待ちしております。

  • ポプラ社小説新人賞事務局
  • 吉田元子
  • 2018年1月12日

最終候補作品講評

『ギャルズフェンサー』 雛井孝志
剣道の名門・獅子内家。その家の娘・楓のフェンシングを通した成長譚。
賞金につられて参加したちゃんばら大会で出会った、レアという少女に勧誘されてフェンシング部に入ることになった楓。祖父とのいさかい、家への反発もあり、練習に取り組むようになるが……。
楓がフェンシングを習う形でうまく競技を説明しており、試合などの描写もわかりやすいため、フェンシングを知らなくても楽しめるように仕上がっている。青春スポーツ小説としてまとまっているが、この作品ならではの魅力や新しさを感じられず、受賞には至らならなかった。
『跡を消す』 前川ほまれ
ひょんなことから特殊清掃会社にアルバイトとして入った主人公の青年が、特殊清掃という過酷な仕事を通して、徐々に人間として成長していく。お仕事小説として王道の構造ではあるが、現場をリアリティと迫力を持って描写しながら、主人公の心情を繊細に描き出す力量は、今回の応募作の中では抜けており、新人賞の受賞となった。
『うさぎ探偵シャーロップ』 雪白瑚葉
ラビットランドヤードに住むうさぎの名探偵シャーロップと、その相棒のピョン・ワトスンが事件に挑む、シャーロック・ホームズのパスティーシュ。
食いしん坊で面倒くさがりなうさぎのシャーロップ、という設定は面白く、読んでいて愛らしい。だが、導入部以降、主人公がうさぎである必然性が活かしきれていない。多くの部分は、シャーロック・ホームズの世界観から持ってきたイメージで読者が補わねばならず、全体を貫く事件や構成も物足りなく感じられたため、受賞とならなかった。
『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』 隙名こと
クールな美少女・水品は、クラスメイトの主人公・駒田に怪しげなバイトをもちかけてくる。やらせに加担して、小さな奇跡を起こす、という微妙なバイトだが、駒田はだんだん面白く感じるように。過去に家族に起こった事件を自分のせいだと感じている水品は、かたくなに笑うことを拒んでいたのだが――。
軽妙でリーダビリティの高い作品だが、考えさせられる現代的なテーマもはらむ。下ネタの必然性など、気になる点も多々見受けられたが、将来性を感じさせられるという点で、特別賞の受賞となった。
『付喪神始末候』 吉田杏
長谷川半蔵の養子である主人公は、幼い頃から死期が迫った人間に黒い影が見え、付喪神の取り締まりを請け負うところで仕事をするようになる。豪商の娘を助けたことから彼女に慕われているが、その少女には付喪神を使役する才能があり、彼女とともに町で起きる事件に挑む。
文章や構成は読みやすく、世界観が明確に伝わる。付喪神も可愛らしい。どれも水準は満たしているのだが、突出した魅力や、この作品ならではのオリジナリティという点で決め手に欠き、受賞にはいたらなかった。
『SUGURU』 田上雪音
幼い頃にプロ卓球選手の陽向卓にアドバイスをもらったことがきっかけで、陽向と一緒にオリンピックに出ることを目標に力をつけてきた主人公の氷室優。震災で仲間も街も失、い陽向だけが心の支えだったが、数年ぶりに再会した陽向の姿は──。
キャラクター造形は魅力的で、二人の「スグル」がスポーツを通してぶつかりあう姿は、定番ではあるが好感が持てるものだった。しかし、スポーツ小説としてのリアリティの部分や視点の混乱など気になる点が見受けられ、受賞にはいたらなかった。

選考経過

1次・2次選考経過

第7回ポプラ社小説新人賞 1次・2次選考通過作品発表
第7回ポプラ社小説新人賞は、697通のご応募をいただき、下記の67篇が1次選考を、うち14篇が2次選考を通過いたしました。

タイトル名著者名2次選考通過
オヤジのいた家外都ユウマ●
ギャルズフェンサー雛井孝志●
跡を消す前川ほまれ●
闇の中の探偵名井陽
白ケチ×黒ケチ鹿古チイタ●
ブラッディ・ハンマー影山郁二郎
やすけでん中野貴宇宙●
ドリーム・ランド宇野明信
うさぎ探偵シャーロップ雪白瑚葉●
パラシュートの夏吉田隆之●
キャップのふちに手をかけて ぼくとマチュピチュは走り始めた河内美穂
GO! LADY GO!早川竜也●
満ちるみくりや佐代子
小石の歌村崎えん●
婿とり狂想曲水野明日香
硝子の海里谷沙映
「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。隙名こと●
ふくのかいおしろかおる
笑って村山小弓
みんなと猫の二階の止まり木伊波晋
sweet my home古川倫子
付喪神始末候吉田杏●
裁く女三好なつ彦
ホイールドリーマー織部俊輔
ホトトギスの鳴く浅宮葉生
戻らない夏桃太朗
銀盤少女が笑ってる石川めぐみ
野蛮人の飲んだクスリ北村悠生
祥子の球譜たかいちめい
白のタピオカ真月真珠
狂人たちの宴花紋瑶
お助けマン結城智
光の中で岡部裕子
ナイカン遠野有人
彷徨の砂漠熊谷勲
悪党~忠鬼~寺山瑞鳳●
妖怪ハラスメント株式会社ハナ予十愛
えさそいや三上幸丸
ブルースウィートハニーシュガー渡邊正規
SUGURU田上雪音●
両替屋伊蔵事件控え尾川一城
アーク第三ビルヂング山野ねこ
永遠の華さとう理乃
革命幻想紙島創
記憶代理人園田新
てふてふや文月瑞姫
嘆眼少女澄夜化ける●
八百比丘尼、人魚を食べた問乃みさき
喇叭吹きのボイジャー日野行緒
いつか森になる荒野栄理灯
我が家のディナー北松聖司
旅打ち追走曲志津利之助
あの娘に一票!酒本歩
この星を愛してるカイト
パンケーキ葉宮英
ポリゴンの裂け目日夏梢
二人(ダブルス)長谷一馬
dancin,in the rain雪松聰
無味への沈溺駒喜多徹也
もっとはなして松崎スイ
金田金男佐々木悠
No-handed蓬葉虫
グリーンカーテンの町鴫原慎一
光の蝶は導く澤ちひろ
乙女なネコの流線形モーヒック
聖エルモの兄妹石田将也
ごはさんで願いましては八田我名

応募の決まり

第7回ポプラ社小説新人賞 作品募集
あなたの〝面白い〟を届けてください。

ポプラ社小説新人賞は今年で第7回を迎えます。
前身のポプラ社小説大賞を含めると、小川糸さん、伊吹有喜さん、向井湘吾さん、寺地はるなさんなど、多くの作家の方々がデビューされてきました。

以前より続く、弊社の新人賞の特徴は、編集部にて審査を行うということです。
一人の読者として、純粋に〝面白い〟と思い、一人の編集者として、最高の一作をともに作り上げたい、と願う作品を選びます。
皆さんの思う〝面白さ〟が凝縮された作品を、編集部一同心よりお待ちしております。

対象 エンターテインメント小説を求めます。
ジャンルは問いません。
日本語で書かれた自作の未発表作品に限ります。
原稿枚数 400字詰め原稿用紙換算200枚~500枚。
手書き原稿は不可とします。
ワープロ、パソコンなどで、A4判の用紙を横置きにし、1枚あたり40字×35行にて縦書きで印字してください。また、必ず通し番号を入れてください。
フォーマット 1枚目にタイトル、氏名または筆名(フリガナ)、400字詰め原稿用紙換算枚数をお書きください。
2枚目以降に内容紹介(原稿用紙1-2枚程度)を書き、本文の前に添付してください。
別紙にタイトル、氏名(フリガナ)、筆名(フリガナ)、性別、職業、年齢、略歴、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、この賞を何で知ったか、を必ず明記し、作品と一緒に綴じず、同封してください。
選考 編集部にて審査
賞 新人賞 正賞記念品  副賞200万円
※入賞作品はポプラ社より刊行
締め切り 2017年6月30日(当日消印有効)
今年の募集は終了しました
発表 2017年12月8日(ポプラ社ホームページおよびポプラ社発行PR小説誌「asta*」にて)
諸権利ほか 入賞作品の出版権及び二次(的)利用の諸権利は弊社に帰属します。出版の際には規定の印税が支払われます。
注意点 応募原稿はいかなる場合にも返却しません。
必ずコピーをお取りください。
他の文学賞との二重投稿は失格とします。
審査に関するお問い合わせには一切応じられません。
応募先 〒160-8565 東京都新宿区大京町22-1
ポプラ社内「ポプラ社小説新人賞事務局」

※応募された方の個人情報は適正に管理し、本小説新人賞以外の目的に利用することはありません。

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