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読みきかせからひとり読みに移行したばかりの小さな読者にとって、ひとりで1冊の本を最後まで読み通す経験は特別なものです。だからこそ、ひとり読みを始めた子どもたちにとびきり楽しい童話を届けたい!それは、幼年童話「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ」をライフワークとして、40年以上、新作を書き続けている角野栄子さんの信念でもあります。

ポプラ社は想いをともにする角野栄子さんと、あたらしい童話の賞を創設し、この度2回目を開催いたします。
童話らしい童話でなくてかまいません。今までの童話のイメージにとらわれず、自由なあなたらしい表現で子どもたちを夢中にさせてください。そのため、文字原稿だけではなく、絵を主体とした作品も募集いたします。
角野栄子さんをあっと驚かせる「あたらしい童話」を心よりお待ちしています。




特別審査員に武田美穂さんの就任が決定!




クリエイター応援コンテンツをご用意いたしました!
応募前にぜひ一度ご覧いただき、創作のヒントにしてください。

【第1弾】角野栄子の創作10か条
角野栄子さんが創作の際に大切にしていることについて、参加クリエイターのために特別に教えてくださいました!



【第2弾】特別審査員就任記念! 角野栄子×武田美穂スペシャル対談
創作スタイルが似ているところもあり、お話がはずんだおふたり。
「となりのせきのますだくん」の誕生秘話も!?
全クリエイター必見!
それぞれの代表作が世代を超えて子どもたちに愛され続けるふたりの作家による注目のスペシャル対談です。



はじめてひとりで本を読みはじめる頃の5〜8歳の子どもたち。「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ」や「かいけつゾロリシリーズ」など、ポプラ社からもいろいろな表現の作品が刊行されています。

「第2回 角野栄子もっとあたらしい童話大賞」の告知に協力してくださる団体・企業を募集しています。チラシ・ポスターはこちらからダウンロードいただけます。

チラシ(A4サイズ)


ポスター(B3サイズ)





本応募は終了いたしました。
今回の応募総数は、2126件!
2回目の開催でしたが、編集部の予想を超えるたくさんの作品が集まりました。
ご応募いただいた皆様、ありがとうございました。
選考にお時間をいただきますが、発表までしばらくお待ちください。

■選考
編集部にて審査 審査委員長に角野栄子氏 特別審査員検討中


■賞金
大賞 50万円
受賞者には担当編集者がつき、幼年向けの児童書の刊行を目指します。

・最終選考作品は全て審査委員長 角野栄子氏、特別審査員、編集部が精読・審査。
・最終選考候補作には、角野栄子氏、特別審査員より、くわしい講評をお知らせいたします。


■募集期間
2025年4月25日(金)〜募集開始 →2025年7月31日(木)当日消印有効


■発表
2025年12月頃ポプラ社ホームページにて発表
2026年2月頃に授賞式を予定


■問合先
ポプラ社ホームページ「お問い合わせ一覧」WEBフォームより
※フォーム欄で「弊社に関するお問合せ」を選択/お問合せ項目欄で「角野栄子あたらしい童話大賞について」を選択してください。










「あたらしい童話に出会いたい」「未知の才能と出会いたい」
そんな願いを込めて始まったこの童話大賞が2回目を迎え、初回同様、2100作を超える作品が集まりました。
応募なさった皆様の熱意に心より感謝申しあげます。
最終選考に残った12作品はいずれも完成度が高く、選考は難航しました。
でも、残念ながら、「これだ!」と思える、飛びぬけた作品には出会うことができませんでした。
アイディアが面白い! と思っても、あまり活かせていなかったり、全体に小ぢんまりとまとまっていて、予想をこえる展開や驚きが少なかったりして、物足りなく感じてしまったのです。
そこで、選考委員の総意で、今回は「大賞」は該当作なしで、3作品を「奨励賞」として選ばせていただきました。
それぞれの作品の魅力や書き手の可能性を認めたうえで、それでも敢えて妥協せずに、もっともっとあたらしい作品との出会いを期待することにいたしました。
審査委員長 角野栄子

※選考についてのお問い合わせには一切お答えできませんので、なにとぞ、ご了承ください。
※第3回の募集詳細につきましては、決まり次第、WEB上で告知させていただきます。今しばらくお待ちください。





■選評(審査委員長・角野栄子)
雨の日曜日、ひろとはパパとしりとり遊びを始めます。「は」から始まる言葉が思いつかなくて、ひろとは思わず、赤ちゃんの妹の名前、「はるか」と言います。パパが「カッパ」と続けると、ポンッ! はるかちゃんはカッパになってしまいました。ママもあわててやってきて、しりとりで元に戻そうとします。パンダ→だんご→ゴリラ……というたびに、はるかちゃんは変身して、なかなか赤ちゃんに戻れません。3人の悪戦苦闘ぶりが、この作品の面白いところ。最後は元にもどって、ハッピーエンドでしたが、いささか苦しい終わり方。はるかちゃんが変身したとき、パンダやお団子であっても、どこかに赤ちゃんらしさが感じられたら、ナンセンスにリアリティが生まれ、すっきりと楽しめたのでは? そのためには、何をどう描いたらいいか、じっくり考えてみてください。きっと新しい発見が待っています。

■選評(特別審査員・武田美穂)
ナンセンスのにおいのするお話は大好物でして、「ドタバタ」も。そのようなものを書くときは、エスカレートの手をゆるめちゃいけないんです。山場で読者を「えええっ」とのけぞらせて、うまくオチに持っていく! だが、それは至難のわざ。作者はかなりわかってらっしゃるかたですが、ヤマ作りの流れもアイテムもさらにブラッシュアップできる余地があると見ました。(すみません。ナンセンス好きなだけに厳しくて)泣かせるより笑わせるほうが難しいですよね。(わたしも修業中なので、一緒に頑張りましょう!)ひろとくんとパパ、ママのどこかピントのずれたような掛け合いはとても楽しかったです。



■選評(審査委員長・角野栄子)
夕暮れ時にお祭りに出かけたヒナは、パパとはぐれて迷子になってしまいます。そして、「ほんとの おめんやさん」と言うのんちゃんと出会います。「このお店のおめんをかぶったら、おめんのキャラクターに変身できる」と言われ、ヒナは次々試して……、物語はテンポよく進みます。でも、おめんのセレクトがちょっと残念。アニメのキャラクターはいいとして、動物はありきたり。ヒナが「なってみたい!」あるいは、「こんなの最悪!」と心を大きく動かす何かに変身したなら、お話もダイナミックに動いたのでは? また、お祭りの夜の特別な空気感や、のんちゃんの怪しい雰囲気をもっと工夫して描いたら、魅力的なホラー童話になりそうです。納得のいくまで、何度も書き直してみてください。それだけの価値があります。

■選評(特別審査員・武田美穂)
途中から、う、これヤバいやつ? ホラー? と、ビビリーなわたしは、どきどきでした。うわあ、ヒナちゃん、それ以上はダメだよ、はやく逃げるがいいよ。最初のこわい気持ちを大事にするがいいよ……。だが、主人公が逃げたらお話にならないのです。案の定、ヒナちゃんはのんちゃんに言われるままにおめんをとっかえひっかえしていき……。ほーらね、いわんこっちゃない。でも、よかった! のんちゃんはそこまでこわいアヤカシじゃないのでした。ちょっとイタズラしただけ。最後の最後はこわいお話予定調和(?)で、ギクッとする仕掛けがありますけどね。ネタ自体はものすごく新しいわけではないと思いますが、料理の仕方がフレッシュなので佳品になってます!



■選評(審査委員長・角野栄子)
「れいとうこのくうしつ、もとむ……ふゆの小さなまほうつかいより」ポストにこんなチラシが入っていて、まほちゃんとお母さんは冷蔵庫をひと月貸すことにします。やってきたのは、黒いマントとフードをつけた小さな魔法使い10名。「れいとうこのくうしつ」なんて、とっても面白いアイディア! でも読み進めるうちに、疑問が随所に出てきました。魔法使いは夜だけ泊まって、朝出かけていくけど、昼間は何をしているの? 魔法で掃除ができたり乗り物も出せたりするなら、どうして冷凍庫の空室を借りないといけないの? ……などなど。おそらく作者は「冷凍庫の空室を貸す」というアイディアだけで、ディテールが見えないまま書き始めてしまったのでは? まほちゃんと冬の魔法使いたちの世界をしっかりと組み立ててみてください。もっと面白くなるはずです。

■選評(特別審査員・武田美穂)
10人の小さなまほうつかいたちが手をつないでてくてく歩いてくるビジュアルはユーモラスで楽しい。彼らはいったいどこに何をしにいっているのか、謎。そして、この非日常をそこそこ受け入れてしまうまほちゃんとおかあさんのフレキシビリティ。惜しむらくは、前半まほうつかいが冷凍庫を間借りしている間と、後半去ってのちの展開が方向性の違う別のお話に思えること。簡単なのは後半の要、「トリアエズチョットダケ」を活かすための前振りネタを話の導入部分に入れればいいんだけど(例えば、おかあさんは家事苦手、まほちゃんも算数苦手ネタなど)、それじゃフツーなので、オリジナリティある方法をご一考ください。ウエイトをまほうつかいにおく場合は、ほんの少しでも彼らがどこに何しに? の謎にヒントがほしいです。存在がもっとふくらむように。(仕事がキツいとき「寝ている間にこびとさんが手伝ってくれないかな」と思ったりしたけど、わたしもこれからは「トリアエズチョットダケ」でいこう)





朝谷悠「なんでもがかりのさっこちゃん」
■選評(審査委員長・角野栄子)
2年1組のさっこちゃんは「なんでもがかり」――困っている子を助ける係りです。いったい何をするの? ところが、いきなりリョウくんの「変顔さわぎ」に話は飛びます。変顔が戻らないとは、ナンセンス? と思いきや、教頭先生のもっとすごい変顔でリョウくんの顔は元に戻るというリアルな展開。2つ目のエピソードは、さっこちゃんになりたい同級生とさっこちゃんが入れ替わってみるお話。最後のエピソードでは、「うれしい」と「かなしい」が混ざった複雑な気持ちについて、子どもたちが考えます。いずれも作者の温かいまなざしを感じるお話ですが、「なんでもがかりのさっこちゃん」というタイトルのもとにひとつに収めるには、テイスト的にもテーマ的にも無理があったようです。一番描きたいことは何? 今一度確認して再考してみてください。

■選評(特別審査員・武田美穂)
アイデンティティのものがたり。ゆるめのお話の中に子どもたちならではの自分さがしや、他者を認めるきもち、この感情は何なのだろう? という疑問など、ちいさな成長の萌芽が散りばめられています。朝谷さんのめざすところは、わかる。ただ、1冊の本にするとしたらまだ弱い。もうひとつ、決定打となる魅力的な何かがほしい、と思いました。エピソードなのか仕掛けなのか、朝谷さんならではの何か。けど、書きたいものがある、そのモチベーションは大きな強みです。書き続けてくださいね。


はるか かなた「ボーナスステージへようこそ!」
■選評(審査委員長・角野栄子)
しんごくんの前に、突然なぞのお姉さんが現れ、「ボーナスステージに進んだので、ミッションをクリアするまでパワーと勇気が使える」と言います。ボーナスステージ? パワー? 勇気? ゲーム好きの子どもたちには耳慣れた言葉かもしれません。でも、初めて出会う幼い読者には説明が不十分。文章も展開もスピード感がありますが、勢いに任せて書き進めてしまったのか、設定がわかりづらい。子どもの気持ちに寄り添ったお話なのですから、読者の子どもたちが迷子にならない書き方をしてほしかった。もっと本を読むことをお勧めします。そして、大好きな本に出会ったら、ぜひ声を出して何度も読んでみてください。

■選評(特別審査員・武田美穂)
ショートアニメを見ているような軽快な1篇。作者が楽しく書いているのが伝わってきて、こちらも楽しんで読みました。ただ、この作品、読み手を選んでしまうかもしれませんね。漫画やゲームに親しんでいない人にはシチュエーション自体がわかりにくいかもです。テンポのいい進行、ことばのキャッチボールのうまさなど、光る部分をお持ちですので、さらなる「ステージアップ」を期待します!


いわしみずりえ「ないしょのこうえん ソフトクリーム」
■選評(審査委員長・角野栄子)
公園で、ソフトクリームをコーンの下の方から食べようとしたかっちゃんは、中身を公園の地面に落としてしまって、がっかり! 残ったコーンを持って水道の蛇口をひねると、出てきたのは水ではなく、ソフトクリーム! こんなことが起きたら、子どもたちは大喜びですね。でも、その後の展開がありきたりでした。現実からファンタジーへ移り変わる、そのはじめの段階をどう描くかが重要です。じっくり考えてみて! イラスト付きの作品でしたが、絵がない方が自由にイメージを広げられたのかもしれません。

■選評(特別審査員・武田美穂)
アイスクリーム好きのこどもたちなら、ヨダレながしながら読むでしょうね。これはひとつのパラダイス。ただちょっと詰め込みすぎたかな? エピソードなど、もう少し整理してもいいかも。ここぞ! というどうしても見せたいヤマ場に至る前の展開に、あまりにもあっちこっち振ったりちいさなヤマを作ったりしすぎちゃうと、「ここぞ!」がかすんでしまうのです。注意。でも、カラーイラスト付きの労作でした! また応募してくださいね。


あさのひまわり「おとしもの はくぶつかん」
■選評(審査委員長・角野栄子)
1年生のあいちゃんは、「おとしものはくぶつかん」に招待されます。落とし物の博物館なんて、面白そう!! 期待で胸が膨らみました。でも、残念! せっかくのアイディアがあまり活かされません。まず、博物館への案内役がリス、というところで、ワクワク感は薄れ始めます。ちょっと風変わりな人間でいいのでは? 博物館に展示された落とし物についても、ただ見て通り過ぎるだけではつまらない。落とし物には落とした人がいて、もとの居場所があります。それがもう少しわかるように描かれていたら、「このはくぶつかん、どこにあるの?」「行ってみたい!」と、子どもたちが身を乗り出してくるお話になったのでは? がんばってください。

■選評(特別審査員・武田美穂)
「おとしものはくぶつかん」というタイトルには心惹かれました。なぜなら わたしはおとしもの大王だからです。リスのスロリに導かれ博物館に入館したあいちゃん。いったいじぶんが落としたものってなんだろう……? それはなんと実は!……と、この大枠の仕掛けはなかなかなのですが、かわいい動物たちを散りばめすぎて、せっかくの「おとしもの」ネタがちょっと後退してしまった気がします。もっと「おとしもの」自体にフォーカスしてふくらませることができそうで、そこがもったいないな、と思いました。額装された「34てん」には笑えたので、なおさら。


うし きなり「べんだー・わんだー」
■選評(審査委員長・角野栄子)
ある町の自動販売機の中が遠い宇宙とつながっていて、宇宙人の家族がバカンスを過ごしにやってきて、取り出し口から少しだけ見えるものを楽しむ――。意表をついた設定です。独特な語り口に誘われ、ページをめくりたくなります。自販機の前を通る人、自転車、猫などの姿(の一部)や音に、宇宙人はびっくり。でも、このユニークな設定に対して、ストーリーはあまりユニークとは言えません。宇宙人の反応が普通なのです。言葉も感覚も常識も、地球人と全然違っていてもいいのでは? もっと自由に想像してみてください。

■選評(特別審査員・武田美穂)
生まれて初めて絵本をつくったとは思えないですね。オノマトペの視覚化など、デジタルをうまく使いこなしている。ただ、そこに頼りすぎている感もありです。(基本的なデッサンなど少し頼りない)ページめくりはちゃんと意識している。(絵本作りでは大事)リズム感もある。ストーリー展開はというと、ひとりよがりなところがある。ポエムならこれでもいいのだろうけれど、童話とか絵本として勝負するにはもう少し読み手を意識しないと、プライヴェートフィルムになってしまいます。と、厳しいことをいうのはセンスのある人だと思うからです。なんにせよ意欲作でした。どうかまたトライしてくださいね。


あき伽那「カゲとかけっこ」
■選評(審査委員長・角野栄子)
明日は運動会。主人公のカケルは、かけっこが苦手。そんなカケルに愛想を尽かして、〈かげ〉が逃げ出します。追いかけても、なかなか追いつけません。夕方で〈かげ〉が長くなって、長い脚で地獄階段と呼ばれる階段もすいすいのぼっていきます。辿り着いたのは、小さい頃によく来た広場。そこでカケルと〈かげ〉は全力でかけっこをして心を通わせ、運動会当日、嬉しい予感の中でお話が終わります。文章も設定も安定感がありますが、影はよく童話に書かれるテーマなだけに、もっとオリジナリティがほしかったと思います。カケルの相棒のような存在でありながら、人とは違う不気味さや不可解な面があってもいいのでは? ありきたりではないところから、物語は思いもよらない方向へ発展していくものです。

■選評(特別審査員・武田美穂)
いつも一緒にいるカゲが自立しちゃった。うわあ、どうしよう……っていうファンタジーのかたちをとった、これはカケルくんの成長譚。「ぼくなんか」って感情は、そうか、ちょっとだけ「甘え」がはいってるんですね。カゲというトリックスターにあおられて、地獄階段を登りきったカケルくんは頑張った先にある達成感を知りました――って、すてきなお話なのですが、少し文章が硬い気がします。もう少しやわらかめの文体のほうが感情移入しやすいかも。こんなテーマはより下の年齢のかたにも読んでほしいと思っての提案です。


倉田そら「ストローのなかのちっちゃいおじさん」
■選評(審査委員長・角野栄子)
2年生のれんくんはコンビニでスムージーを買います。家に帰るまでに飲みほしてカップとストローを洗うと……、ストローの中に、ピーナッツぐらいのちっちゃいおじさんがつまっていました! そして、おじさんがコンビニでなくした運動会の招待状を二人でさがし始めて……、この後、どうなるの? すごい事件が起きそう! でも、招待状はぶじに見つかり、運動会もぶじに開催できて、ハッピーエンド。突拍子もないお話を書きたい! という作者の意気込みは感じます。でも、それほど驚きがなかったのが残念。独特のユーモアのセンスを生かして、もっと冒険してみましょう!

■選評(特別審査員・武田美穂)
楽しく読みました。わたしは、読むものはすべて脳内でビジュアル化してしまうので、頭の中でちっちゃいおじさんたちが駆け回りソーラン節など踊って、大変でした。ミニチュアのジオラマって好きですが、あれの動く版。宅配荷物配送中、おじさんたち、あっちにぶつかりこっちにぶつかりしちゃうんじゃない? どうするの?……なんて考えるのは野暮ですね。そういうアナはこの作品、実は結構あるのだけれど、作者が楽しんで書いているのがわかるし、まあいっか。ラストに再会フラグが立つのもよかった。


早紀 牧雄「スマホをとどけに」
■選評(審査委員長・角野栄子)
一年生のサチは、ママがスマホを忘れて出かけたことに気づきます。パパにお弁当を届けにいったのに、たいへん! ママに届けようとしたサチは道に迷って、スマホでパパに電話をします。ところが、出たのはカエル! そのあともスズメや犬が出て、最後につながったのは、サチ自身。そして、ママに会えてほっとして家に帰ると、古いスマホに電話がかかってきます。電話をかけてきたのは、ママをさがしていた時のサチだった! という、SFのようなラスト。この展開が行き当たりばったりで、都合がよすぎます。たとえば、電話に出た動物がサチの近所の犬だったり、大好きなぬいぐるみだったりしたら、もっと自然な流れになったのでは? 一番気になったのは「ママはスマホをあたらしくしたから、それはもうつかえないふるいスマホなのよ」という言葉。がんばったサチがかわいそう!

■選評(特別審査員・武田美穂)
ママに忘れたスマホを届けるというドキドキのミッションに挑むサチちゃん。「はじめてのおつかい」的なテーマは児童文学王道のひとつ。さて、この作者はどう料理するのかな? と思ったら、サチちゃん、いきなりでたらめな番号に電話をかけちゃった。なぜかつながった相手はカエル、スズメ、いまいち頼りにならないたんてい犬。あ、これはファンタジーなのね、と読み進んだら、最後にかかってきた電話の相手はなんとサチちゃん本人からでした。実は大ラスはSFテイスト! タイムパラドックス! 楽しく読ませていただきましたが、カエルやスズメのくだりとこのSF的な仕掛けが微妙になじんでないかな、と。そこ、課題です。


碧路来「なまいきなひざこぞう」
■選評(審査委員長・角野栄子)
ココナは泣き虫、いつも膝小僧を抱えて泣きます。右の膝小僧におでこをのせて、左の膝小僧に「ひざこぞうのバカ」と八つ当たりします。そこにお兄ちゃんが顔を描いてしまいました。生意気な顔です。すると、膝小僧がココナに話しかけたのです! 軽快なテンポで物語が始まり、面白いことが起こりそうな予感で一杯! でも、そのあとの展開が弾んでいきません。ああ、残念……。この膝小僧くんを思いついたとき、作者はわくわくしたはずです。その気持ちで書き続けてください。途中で詰まったら書き出しに戻って、繰り返し書き直しましょう。数えきれないほどの繰り返しの中から、新たなアイディアや思いがけない展開が生まれてきますよ!

■選評(特別審査員・武田美穂)
自分だけの秘密の友だちがいるって、いいな。このお話を読むと、みんなひざにマーカーで顔が描いてみたくなっちゃうんじゃないでしょうか。やつあたりしても受けとめてくれる友だち、いいな。でも、引っ込み思案のココナが 「本当のこと」がいえたのは、自分自身が勇気を振り絞れたから。ココナのちいさな、でも大事な一歩。ココナとなまいきなひざこぞうのエピソード、もう少しほしかったし、ミナトくんのキャラももう少し掘り下げてもよかったのでは、と思いましたが、やさしくかわいらしい成長の物語でした。




第二次選考に通過されましたのは、以下の12名です。
ペンネーム タイトル
朝谷悠なんでもがかりのさっこちゃん
はるか かなたボーナスステージへようこそ!
いわしみずりえないしょのこうえんソフトクリーム
あさのひまわりおとしものはくぶつかん
やまとそらヘンテコしりとりだいぼうけん
安藤 明子おめんやさんの のんちゃん
うし きなりべんだー・わんだー
★あき伽耶カゲとかけっこ
★駒井かやまほちゃんと、ふゆの小さなまほうつかい
★碧路来なまいきな ひざこぞう
★倉田そらストローのなかの ちっちゃいおじさん
★早起 牧雄スマホをとどけに


第一次選考に通過されましたのは、以下の44名です。
ペンネーム タイトル
朝谷悠なんでもがかりのさっこちゃん
かざみ めのうまいにち月曜日がくる町
ふじわら ななえワニのはいしゃ デンタルワーニー
桐林沙弥きずとっかえ屋
みなみ絵空ポルカちゃんのまほうのぼうし
ふじむら うかぶんちゃんのては おれんじクリームパン
田村岩魚カカシのふりをしてみよう
ナイトメアせんせいのあくむはっぴょうかい
あいだ すずごみしょりじょうのぼうけん
はるか かなたボーナスステージへようこそ!
いわしみずりえないしょのこうえんソフトクリーム
あさのひまわりおとしものはくぶつかん
やまとそらヘンテコしりとりだいぼうけん
なかいかおりわるいまじょのいえのビイ
安藤 明子おめんやさんの のんちゃん
あかちゃん忍者 たあくん はつしごとに いく!
はれやま はるおさかさま地底帝国マサカサ
みちくさ くうある日 あがきえた
上野典子おなかのなかの ひみつのこえ
杉江勇吾もうはつさん
宮古一加あこがれのシークレットガチャ
にしの桃子ゆめカメラ
うし きなりべんだー・わんだー
芝 ちほ口がいなくなった
藤江洋一お風呂が怒った
小松サキ水曜日は、きもちゴミ収集の日
武井治美もぐらとあしおと
三日月うみふしぎ観覧車
もとよしともこおこさまプレート、しゅっぱつしんこう!
ささまひろみゆでたまごくん
斯波奈津子ピアノのチェリーちゃん
★あき伽耶カゲとかけっこ
★蒼月 るいれんたるおかあさんとふしぎなハンバーグ
★佳鳥愛太しゅくだい、買いとります。
★駒井かや『まほちゃんと、ふゆの小さなまほうつかい』
★霜月透子おばけにだって悩みはある
★TUKINEKOおかあさんをとりもどせ!
★碧路来なまいきな ひざこぞう
ふたごのまゆげくん
★倉田そらストローのなかの ちっちゃいおじさん
★早起 牧雄たてものしゅうかい
スマホをとどけに
★たかさばぼくのクツの中、大人気!
★ミモザえだまめネコ
★紺夜灯あさってやるねこ
★うっかりぽんたよるをとぶじてんしゃ 〜ずっこけヨルドガスのまほう〜
★ミムコちょきん
★trafalgarカサスケのふしぎな旅

★印は「TALES」からの応募者になります。
下記「TALES」のリンクから、作品をお読みいただけます。
https://note.com/tales_story_/n/n117a8d1d5722







主催:株式会社ポプラ社
共催:一般財団法人角野栄子児童文学財団
後援:江戸川区
協力:⾓野栄⼦オフィス
イラスト:長崎訓子




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