単行本(166)
「あの日」、そして これから
ホワイト・レイブンズ(ミュンヘン国際児童図書館・児童図書目録)選定(2013)
東日本大震災を体験した方々が、この1年を語ってくれました。胸にせまる言葉の数々に耳をかたむけてみてください。
「来年またお会いさせてください」
2011年、 こう言って震災の取材を切り上げ日本を発ったカメラマンの著者は、今年二月、ふたたび自身の故郷でもある宮城に戻りました。残した言葉どおり、震災直後に取材・撮影した被災者の方々に再会するためでした。女川、石巻、気仙沼、仙台。被災者の語る言葉は、写真だけでは伝えられないものをもっていました。
想像してみてください。
「行ってきます」と言って家を出たのに、帰ってきたら「ただいま」をいう場所がなくなっていた。家族に「おはよう」とあいさつをしたばかりだったのに、「おやすみ」を言う前に父や妻がなくなってしまった。
この本は、写真絵本『「あの日」のこと』の続編にあたるものです。
止まってしまった時計を心の中に抱き続けて、東日本大震災からを生きる人びとのことばに、どうか、耳をかたむけてください。