母、兄、友人……、誰かのために自分はずっと我慢していると思ってた。
明良はバスケ部に所属する中学3年生。
医師である亡き父の遺言を受け、将来は医者になれと言われている。
しかし本心はバスケ選手になりたい。そんな内心を家族にはもちろん、
部活仲間にもひた隠しし、うまくやっている。ところが、才能あふれる転校生、兄の秘密、
一人の少女との出会いに刺激され、中学最後の夏、思いがけずコントロールが狂い始め……。
真正面から自分自身と向き合い、周囲とも初めて本音でぶつかりあうことで、
改めて家族や友人とのあたたかい絆を感じさせる作品です。
著者略歴
草野たき…1970年神奈川県生まれ。99年『透きとおった糸をのばして』で
第40回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同作で児童文芸新人賞を受賞。
2007年『ハーフ』で第47回日本児童文学者協会賞を受賞。
主な著書に『ハチミツドロップス』『メジルシ』『ハッピーノート』『他がある。