那須正幹先生が、2021年7月22日14時5分に肺気腫のため逝去されました。
先生のこれまでのご功績と児童文学に注がれた多大なる愛情に感謝を申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
那須先生は、児童文学の世界において、長きにわたり大変大きな功績を残されました。
とくに、代表作である「ズッコケ三人組」シリーズは、多彩なストーリーで多くのこどもたちをとりこにし、読書の世界へと導きました。
1978年の『それいけズッコケ三人組』以来、こんなにも長く深く愛されるシリーズを刊行させていただけたことは、弊社の喜びであり、たいへん光栄なことだと思っております。
3歳の時に広島で被爆された那須先生は、『ねんどの神様』、『The End of the World』、「ヒロシマ」三部作など、戦争に反対し、平和をうったえる作品もずっと書き続けてこられました。いずれも変わりゆく時代のなかで決して忘れてはならないことが強くこめられ、こどもにも大人にも伝わる物語となっています。生涯をかけて発してくださったこのメッセージを、大切に、今後も多くの人に届けていかねばと思います。
これまで子どもたちをあたたかく照らし、ときに弊社が進むべき道を明るく示してくださった先生が亡くなられたことは大変寂しく、大きな悲しみと喪失感を抱えております。心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、先生から折に触れ教えていただいた、これからの子どもたちや、児童文学に対する優しくも熱い想いを胸に、私どもはこれからもこどもたちのための本を届けて参ります。
2021年7月28日
株式会社ポプラ社