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心の成長にもつながる“初恋”の素晴らしさを子どもたちに。『さやかちゃん』くすのき しげのり先生×こば ようこ先生対談



 春を感じさせる3月、子どもたちの爽やかな初恋を描いた絵本『さやかちゃん』が刊行されました。突然、さやかちゃんに道をたずねられた小学2年生のしゅうとくんはドキッとします。その翌日、さやかちゃんは転校生であることがわかって……。しゅうとくんがドキッとしたその気持ちって、なんだったのでしょうか。



 物語を書いたのは、『おこだでませんように』や『メガネをかけたら』など、子どもたちの自然な心の動きを丁寧に表現することに定評がある、くすのき しげのり先生。そして、こば ようこ先生の描いた絵が、子どもたちが何を感じ、何を伝えようとしているのか、読む側の想像を膨らませてくれます。

――100冊を超えるくすのき先生の作品の中でも、“初恋”を正面から描いた絵本はこれが初めてだそうですね。“初恋”というテーマに取り組んだ理由とは?

くすのき:いつも書きたい作品やテーマがたくさんあって、その中でも今の子どもたちに「人を好きになるのは、すてきなことだ」ときちんと伝えたいと思ったのがこの本です。今、子どもたちの周りにはいろんな情報が渦巻いていますが、そういうことばかりに目を向けるのではなく、初めて人に出会って、ときめいて、そういった気持ちを大切にしてほしいなという想いをこめました。僕自身もやっぱり小学生の頃は好きな子がいたからね(笑)。

こば:初めてお話を読ませていただいた時、物語が映画みたいにパッと頭に入ってきましたね。いつも一冊の本の世界ができるような絵を心がけていて、この本では小学生のピュアな初恋がパッケージされたらいいなと思いました。思わず、自分が小さい頃のことを思い出しちゃいましたね。たまたま道でバッタリと出会って、その子が転校生として自分のクラスにやってきてくれるなんて……憧れます。



くすのき:転校生という新しい友だちがやってくるというだけでもワクワクするのに、それが昨日道で出会った子だったりしたら、もっと嬉しいと思うんよ(笑)。この作品では、映画の『小さな恋のメロディ』のような絵をお願いします、とこばさんにお伝えしました。映画の中の『若葉のころ』という曲をイメージして描いていただきたいと。

こば:そういったオーダーは初めてでした(笑)。きっと、あの曲を聴くのと聴かなかったのでは絵が違っていたと思いますので、おうかがいできて良かったです。

――転校生のさやかちゃんは、すぐにみんなの人気者に。さやかちゃんを描く時に大切にされたことは?

くすのき:僕は、この本を読んだ男の子がさやかちゃんってかわいいなと思うように、この本を読んだ女の子がしゅうとくんってなんかいいなと思うように描いてほしい、とお願いしたんです。

こば:これは、さやかちゃんを絶対かわいく描かなくちゃいけないな、と思いました(笑)。しゅうとくんがさやかちゃんにときめいている場面では、背景に花を散らしました。好きな子って、何人か並んでいる中でもすぐに見つけちゃいますよね。きっとオーラが見えていると思うんです。しゅうとくんの目に、さやかちゃんはこう映っているんじゃないかと思って。

くすのき:最初のページも映画のようで印象的やね。しゅうとくんが驚いたような表情をしていて、次のページでは、初めて会ったさやかちゃんの周りに花が舞っている。しゅうとくんは、もうここで好きになっとるんやな。途中で出てくるさやかちゃんのアップの泣き顔も最高やね。



こば:この顔は表情が気になって、納得がいくまで何度も書き直したんですよ。

――本の帯の「僕たちの初恋」という言葉には、どんな意味があるのでしょう。

くすのき:“僕たちの”ということは、同じクラスのたけしくんも、さやかちゃんのことが好きなんやな。転校してきたさやかちゃんに、いちばんに質問するのがたけしくん。意識してるから関わろうとするけど、ちょっと意地悪を言うてみる。給食のシーンもそう。僕もそんな経験もあるもん。女の子から「いっぱい食べる人が好き」とか言われて、いっぱい食べたことあるよ。ここで、たけしくんも好きやったってことが明らかになるんやね。

――しゅうとくんとたけしくんは、突然、恋のライバルに。

くすのき:それとなく意識しとるかもしれんね。しゅうとくんがさやかちゃんの家に宿題をしに行く場面でね、偶然出会ったたけしくんに言ったら「俺も行こう」って言われるかもしれんから、分からないように一周回ってから行く。

こば:その次のページで、さやかちゃんの家で一緒に宿題をする場面は、「キラキラさせてほしい」という課題をいただきましたね。

くすのき:しゅうとくんの心がときめくシーンやね。しゅうとくんには、さやかちゃんがキラキラして見えたと思うよ。



――さやかちゃんのことを意識するしゅうとくんですが、ある日、さやかちゃんと気まずくなってしまいます。

くすのき:しゅうとくんはどうやって仲直りしたらいいかわからずに、ものすごく悩むんよ。そこでお母さんに相談すると、「そういうのはお父さんが得意なのよ」と言われる。お父さんに聞くとすぐに「手紙がいい」と教えてもらえた。このシーンで、お父さんは昔お母さんに手紙で謝ったことがあるんやろうなってことを想像してもらえたらいいなと思って書きました。お父さんが何をして謝ったのか、続きの本を書いてみたいくらい(笑)。このお母さんに相談するときのしゅうとくんの動作や表情が大好きなんよ。なんとも言えんね。

こば:ちょっと成長したというか、心に決めたイメージで描きました。すごい勇気でお母さんに打ち明けたんでしょうね。手紙の文章は、小学2年生の男の子の字を目指して左手で描きました。「すき」という字は、しゅうとくんと同じように何度も消したりしながら。

――給食でピーマンが食べられるようになったり、手紙を書けるようになったり、成長していくしゅうとくん。恋をしたからなのでしょうか。

くすのき:そう。人を好きになるとモチベーションが上がって、それが行動のエネルギーになるからな。

こば:子どもが手紙を書くってすごい決心だと思います。モヤモヤしていた気持ちがしっかり固まったわけじゃないですか。こんな手紙を書かれたら、きっと女の子はみんなうれしいですよ(笑)。

くすのき:さやかちゃんもまた、しゅうとくんにそこまで異性っていうのを意識してなかったけど、この手紙で意識が変わったやろうね。

――何気ないような日常の中で、子どもたちはいろいろなことを感じ、心を動かしているんですね。

くすのき:ひとつひとつのセリフの中に、子どもたちの気持ちの動きが入ってるんです。さやかちゃんの周りにいる女の子もそう。転校生への声の掛け方、関わり方、周りから守ろうとするところ……。しゅうとくんの場合は、さやかちゃんとの最初の出会いで“はじめの友達”になったことが、どれだけうれしかったか。それから、このわずかな日数でちょっと成長したんやな。転校してきた女の子と仲良くなれた、それだけの話だけど、その中で考えたこと、おうちの人から教えてもらったこと、自分でこうしようと思ってやったことは、この子にとっては大きな意味があるんよ。

――この本を通して子どもたちに伝えたいことは?

こば:最後のページでは、さやかちゃんとしゅうとくんの周りを花でかこいました。たぶん、ふたりにはこの続きがあるんでしょうね。くすのき先生のお話を読んで、自分の気持ちをもっと誰かに話してもいいんだ、ということが子どもたちに伝わったらいいなと思いました。そのモヤモヤした気持ちが恋だということに気づけるかもしれないし。それで一歩成長してくれたらうれしいですよね。



くすのき:そうですね。どの子にも好きな子がいると思うんやな。だから、子どもたちに「好きな人はいますか?」って問いかけたい。人を好きになることは、本当にすてきなこと。好きな人がいることを意識するのは、とてもいいことだと思います。卒業、入学、進級では、新しい出会いの場面がたくさんあります。男の子女の子に関わらず、さやかちゃんに出会ってドキッとしたしゅうとくんと同じように、新しい出会い、そして人を好きになる気持ちを、大切にしてほしいなと思います。

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