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お父さんってかっこいい!「あいたくなっちまったよ」きむらゆういちさん&竹内通雅さんインタビュー

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左が、文章を書いたきむらゆういちさん。
右が、絵を描いた竹内通雅さん


 「あらしのよるに」や「あかちゃんの あそびえほん」など、世代を超えて多くの支持を得ているきむらゆういちさんが、新しい絵本「あいたくなっちまったよ」を発売しました。

 絵を描いたのは、物語によってさまざまなテイストの絵を描き分けることに定評がある竹内通雅さん。表紙には“やまねこ”の顔がアップで描かれ、迫力抜群です!

 そのやまねこの目の中には家族の姿が描かれ、帯には「とうちゃんは、すごいんだぜ。」と書かれています。いったい、どんな絵本なのか、お2人に聞いてみました。 後半では、読み聞かせトークイベントの模様もお届けします。

■子どもにとって、お父さんはスーパースター!

 この絵本には、2人のお父さんが登場します。1人はやまねこ、もう1人はねずみ。どちらのお父さんも、子どもたちから「とうちゃんって すごいよね」「つよくて、めちゃくちゃ かっこいい」と慕われています。この設定は、きむらゆういちさんの“お父さん”としての一面から生まれました。

きむら:うちは、上の2人が女の子で、3人目が男の子。3人目の時はシングルファーザーをしていたんですけど、男の子を育てていると、いろいろある(笑)。でもね、小さな頃の子どもにとって、スーパースターなんですよ、お父さんって。

――きむらさん親子の間でも、やまねこ親子やねずみ親子のような会話が交わされていたんですか?

きむら:子どもの世界では、絵本を書いている僕の名前をほかの子どもも知っているから、より大きな存在だったのかもしれませんね。全然知らないところで、すぐに僕の話をするから、かえっていじめられるんじゃないかと心配していた(笑)。親が、子どもの自慢になる時期があるんですよ。お父さんは、それを演じなきゃいけないから大変なんだけど(笑)。

■対照的な2人のお父さん。その対比がおもしろい

 天敵同士のやまねことねずみ。2人のお父さんは、子ねずみがやまねこに襲われそうになる局面で出会います。とうちゃんねずみは、やまねこから子ねずみを守ろうとしますが、どうなることやら……? いかにも強そうなやまねこと、それとは対照的に、とぼけた表情のとうちゃんねずみ。その絵の対比には、クスッと笑ってしまうようなおかしさがあります。

竹内:テキストを初めて読んだときに、とうちゃんねずみに勝ち目はないよね!と思いました(笑)。3つのキャラクターは、スケッチしたりしながら、わりと早い時点できっちり描き分けました。やまねこは今にも襲いかかりそうな強いイメージ。とうちゃんねずみは、へっぴり腰で、やまねこにビビっている(笑)。でも、それを子ねずみに悟られないように無表情なんです。

きむら:精一杯なんだよね。子ねずみが襲われそうになって、ここは俺が出て行くしかない!って。

竹内:そうそう。最初にその先の展開を読んだときには、オオー!っと感激して。いい絵本ができるっていう確信が生まれたし、相当やり甲斐があるなと思いました。ラストのシーンでは、あれ?と拍子抜けしたような表情で、とうちゃんねずみが読者のほうを向いているところにも注目してほしいです。

■天敵同士でも、子どもに対する愛情の深さは同じ

 本の中に、お父さん同士の会話はありませんが、やまねこは、ねずみ親子をじっと眺めながら、あることを決意し、意外な行動に出ます。この本できむらさんが書きたかったのは、人が人を思いやるという気持ちだといいます。

きむら:ちょっとした気づかいが誰かを救うという“さりげない優しさ”。誰かのことをおもんぱかるというのは、とても大人的な感情ですが。

竹内:2人の関係は、人間の世界にも置き換えられるのかな。やまねこはとうちゃんねずみに優しさを見せるけど、「今度は覚えてろよ」って顔をしてる(笑)。

きむら:どの世界でも大変ですよね、お父さんは(笑)。

――子どもたちはこの絵本から、どんなメッセージを受け取ることができますか?

きむら:本は生きた世界だから、やまねこと野ねずみが生きる物語を、どう読むかによって微妙に読み方が違うこともあります。それはぜひ、頭で理解するのではなく、ひとりひとりが心で感じてほしいです。

竹内:こう読まなきゃいけないということはないので。僕も絵を描きながら、やまねこの気持ちになったり、とうちゃんねずみの立場になったり……。それによって感じ方も違ってくるんじゃないかなと思います。

――読み聞かせをするお父さんたちにアドバイスを!

きむら:文章で書いてない部分があるんですよね。つまり、やまねこが頭の中でどう思って行動に出たのかは書かれていない。そこをすんなり読んじゃうと、その意味が伝わらないので、やまねこがどうしようかなって考えているところで間をとるなど、やまねこの頭の中を想像しながら読むといいと思います。

■「お父さん、かっこいい!」の裏にある
 お父さんの気持ちを想像して


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「あいたくなっちまったよ」の発売を記念したトークイベントに、たくさんのファンが集まりました!

 ポプラ社70周年の展示イベントで、「あいたくなっちまったよ」の発売を記念して、きむらゆういちさんと竹内通雅さんのトークイベントが行われました。

 イベントは、きむらさんによる読み聞かせからスタート。スゴみのあるやまねこを前に、溌剌とお父さんのことを自慢する子ねずみ。そこへ登場したとうちゃんねずみは、言葉はやる気十分ですが、声のトーンは低く、どうにもやりにくそう。きむらさんの声色の違いから、3人の関係性が浮かび上がります。

 会場の子どもたちは、絵が写し出される画面を食い入るように見つめ、「『つぶやく』って何?」など、絵本に出てきたわからない言葉を親にたずねる場面もありました。

 2歳半の息子さんと一緒に来ていたお父さんは、「やまねこは、本当はねずみを食べたいのに、とうちゃんねずみのことを立てる。息子がもう少し大きくなったら、僕も息子から『すごい!』と言われるようになりたいです」と、読み聞かせの感想を聞かせてくれました。

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「表紙はアップで迫力があり、最初はこわかった(笑)」と明かしたきむらさん。迫力のあるやまねこを描きたかった竹内さんの狙い通り!?

 会場では、竹内さんが描いたラフ画も公開。色がつけられるまでには一部変更もありましたが、ほぼラフ通りに進んだとか。竹内さんによると、今回は「解像度がいい、形がはっきりとわかる絵」がきむらさんのテキストに合うと思い、今までにない挑戦をしたそうです。

 絵は、ページをめくるたびに、やまねこの背中が描かれていたり、とうちゃんねずみがクローズアップされていたり。次々と変わるアングルについて、竹内さんは、「黒澤明さんの映画を参考にしました。じつは、動物たちにはモデルがいて、やまねこは三船敏郎さん、とうちゃんねずみは志村喬さんのイメージ」と、制作裏話を打ち明けました。

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竹内さんはプライベートでも大の猫好き。きむらさんは、猫との生活を始めてから、猫の話をよく書くようになったとか

 「相手の気持ちを想像して読み取るのが絵本のおもしろさ。ここには書かれていない、やまねこやねずみの気持ちを想像してほしい」と語っていたきむらさん。

 相手の気持ちを想像することは、生きていく上でとても大事なこと。想像力が欠けていると言われる昨今、行間を読ませるきむらさんの絵本が、子どもたちの想像力をたくましく育ててくれるに違いありません。

 “お父さん、かっこいい!”という気持ちは、子どもの成長につれて変化していくもの。でも、子どもたちが、その言葉の裏にあるお父さんの本当の強さや優しさを想像することができたら……。子どもたちがお父さんを尊敬する気持ちは、いつまでも変わらないものになるかもしれませんね。

取材・文/吉田有希

プロフィール

きむらゆういち
東京都生まれ。多摩美術大学卒業。ゆうゆう絵本・童話講座&通信講座主宰。『あらしのよるに』(絵・あべ 弘士 講談社)で産経児童出版文化賞JR賞・講談社出版文化賞絵本賞、同舞台脚本で斎田喬戯曲賞、脚本を担当した同映画が日本アカデミー賞優秀賞を受賞。同作品は、2016年に歌舞伎化された。作品に自選童話集「きむらゆういち おはなしのへや」(ポプラ社)など多数。

プロフィール

竹内通雅 (タケウチ ツウガ)
長野県生まれ。迫力のある絵とすこしとぼけた味わいの絵本は、こどもたちに大人気。『えらい えらい!』(文・ますだゆうこ そうえん社)は、学校や図書館の読み聞かせでも大好評。絵本に『ぶきゃ ぶきゃ ぶー』(文・内田麟太郎 講談社/現在 絵本館)、『ぐるぐるぐるぽん』(文・加藤志異 文溪堂)、『へんてこレストラン』(文・古内ヨシ 絵本塾出版)など多数。





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