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子どもたちがもっと愛おしくなる。『ごめんなさい』サトシンさん×羽尻利門さんインタビュー

  この夏に発売された絵本「ごめんなさい」は、絵本を読んだり歌ったりの“絵本ライブ”や「うんこ!」などの楽しい絵本で知られる絵本作家のサトシンさんが、リアルな親子のエピソードを綴ったもの。そこに、写実的なタッチで読む人の感情を揺さぶる羽尻利門さんが絵をつけ、“家族で共感できる絵本”として人気が広がっています。

 しかし、この本の魅力は“家族で共感できる”だけではありません。今回は、ポプラ社の企画展示「こどもと本が出会う場所」で読み聞かせイベントを行なったサトシンさんと羽尻さんにインタビュー。おふたりがこの本に込めた想いをたっぷりと伺いました。後半では、8月6日に神保町・ブックハウスギャラリーで行われた「ごめんなさい」の読み聞かせをしたイベントの模様も紹介します。

お母さんたちの想いから生まれた絵本

サトシンさんと羽尻利門さんが初めてタッグを組んだ絵本「ごめんなさい」(ポプラ社/税別1300円)


 この本が生まれるきっかけとなったのは、徳島県で行なわれた読み聞かせイベント。普段から徳島に縁のあるサトシンさんが、以前から考案していたこの企画を、羽尻さんの協力を得てイベントで発表したところ、たくさんの反響があったのです。「徳島の人たちへの感謝の気持ちを込めて、サプライズで読み聞かせをしたら、お母さんたちが感動してくれ、泣かれる方もちらほらで、すごく反応が良かった。徳島の人たちの間では、“徳島発の絵本”として注目していただいてます」(サトシンさん)。

 この本には5組の親子が登場し、日本中のどこにでもある親子の日常風景が描かれています。「作り話ではなく、ぜ〜んぶ実際にあった話。この本は“家族のあるあるグラフィティ”なんです。」(サトシンさん)。ある家庭では子どもが買ったばかりのクレヨンを折ってしまい、またある家庭では子どもたちがおもちゃを散らかして…。親は子どもたちを叱りつけますが、子どもたちは“なぜ、そうしたのか”その理由を話し始めます。

子どもたちにも言い分がある 

「クレヨンを折った理由は、弟に分けてあげたかったから。親って“子どものことはみ〜んな知ってる!”って思いがちですが、子育てをしていると“子どもの気持ちが分かってなかった”ってことがひょいひょい出てくる。あらためて子どもたちの想いを知ったときに、“うちの子で良かった”と思えるし、子どものことがあらためて愛おしくなるんです」(サトシンさん)。本の中で、子どもたちの話を聞いたお父さんやお母さんは、今度は自分たちが涙を流しながら、子どもたちに「ごめんなさい」と伝えています。

 3人の子どもの親として、子育てをしていた頃を思い出しながら本を書いたというサトシンさん。絵を手がけた羽尻さんもまた、子育ての経験を絵の中に生かしています。「たとえば、下の子のオムツを替えているときに、上の子に気を使わないといけないのってイライラしますし、大変ですよね。そんなことを思い出しながら、子育てをする親が共感してくれるような絵に仕上げました」(羽尻さん)。

 また、絵の中には、2度3度と読み返すときの楽しみになりそうな仕掛けが隠されています。「至るところに、スダチやうず潮など徳島で有名なものが登場しています。それから、よく見ると、この子たちは同じ地域に住んでいることが分かってくるんです」(羽尻さん)。目を凝らしてみると、前のページに描かれていた“幼稚園の黄色いカバン”と同じものが、次のページの男の子のおうちにも! 身近なところにいる親子も、自分たちと同じように子育てに奮闘しているんだ、ということが伝わってきます。

 ところで、親の視点を取り入れたこの本、子どもたちはどんな視点で楽しんでいるのでしょうか?「あらためて親の愛情を感じることもあるみたいだし、読み聞かせでは、『そうだよね、そうだよね、うちのお母さんもそうなんだよ!』『うちのお母さんも、ごめんなさいって言ってくれるかな?』って、子どもたちが自分の体験をしゃべってくれるんですよ(笑)」(サトシンさん)。

子どもたちがお母さんの顔をチラチラ

数年前、サトシンさんの読み聞かせイベントがきっかけで出会った2人。サトシンさんは「一緒に絵本を制作する機会をずっと温めていた」とか


 トークイベントでは、普段からサトシンさんや羽尻さんの本に親しんでいるファンの方や、読み聞かせを楽しみにしている親子が集まり、おふたりが初めて出会ったきっかけや、「ごめんなさい」の制作裏話などを楽しくトーク。


撮りためている家族の写真を、絵を描くときの参考にしているという羽尻さん


 そしていよいよ、サトシンさんと羽尻さんが掛け合いで「ごめんなさい」を読み聞かせ。サトシンさんがお母さんやお父さんの怒声を感情過多に読み上げると、本当のことを知ってもらいたくて一生懸命に話そうとする子どもたちの言葉を、羽尻さんが読み上げます。

 お話が終わると大きな拍手! ふと見ると、客席にいる子どもたちは、隣のお母さんのことが気になる様子でチラチラと眺めています。男の子がお母さんを照れ臭そうに眺めたり、女の子がお母さんに顔を近づけて話しかけたりしています。お話を聞きながら泣かれるお母さんも多く、涙があふれハンカチを取り出したお母さんにはサトシンさんが「いい感じ、いい感じ!」と優しく話しかけていました。

読み聞かせで子どもたちの話を引き出そう

 読み聞かせ後のアンケートでは、「子どもへの接し方を見つめ直す絵本になりそうです。イライラを子どもにぶつけるママが自分に重なって…心からごめんなさい!」「絵が優しい!大切にします」「子どもはいつも大人以上に人を想いながら生きているんだと、あらためて感じました。『ごめんなさい』を、大人たちが子どもたちにきちんと言える世界になりますように」というお母さんたちからのメッセージが、サトシンさんと羽尻さんに送られました。中には、発達障害のある子どもにつらく当たっていた自分を、この本に重ね合わせたというお母さんも。

 そして、“子どもたちから親へのメッセージ”の欄には、「大好き。いつもありがとう」「お母さんは怒ってるけど、自分の性格をよくするためだといつも思っています」という感謝の言葉が並んでいました。

 「この本が、お母さん、お父さんの気持ちはもちろん、子どもたちの気持ちを引き出すための存在になってほしい」(サトシンさん)、「表紙にはハグしている親子の姿を描きました。『ごめんなさい』の裏側にある言葉はきっと『愛してる』なんですよね」(羽尻さん)と語っていたおふたり。この読み聞かせイベントに参加した親子は、お互いの愛情をあらためて感じ、いつもより素直になって、それぞれの気持ちを伝え合うことができたかもしれません。

 まさに親子のコミュニケーションツールとしても楽しめそうなこの本。お話が盛り上がって、もし子どもたちが怒られたときの気持ちを振り返ることができたなら、お父さんやお母さんも「ごめんなさい」と伝えられるといいですね。

取材・文=吉田有希

プロフィール

サトシン
1962 年、新潟県うまれ、新潟県在住。広告制作プロダクション勤務、専業主夫、フリーのコピーライターを経て絵本作家になる。おもな絵本の作品に『うんこ!』(西村敏雄/絵、文溪堂)、『とこやにいったライオン』(おくはらゆめ/絵、教育画劇)、『どうぶつまぜこぜあそび』『どうぶつ川柳 ぼく、だーれ?』『どうぶつ連想 それ、だーれ?』(以上、ドーリー/え、そうえん社)、『ながいでしょ りっぱでしょ』(山村浩二/絵、PHP 研究所)、『ま、いっか!』『あるひ、いつものがくどうで。』(以上、ドーリー/え、えほんの杜)など多数ある。親子のコミュニケーション遊び「おてて絵本」を発案。普及活動にも力を入れている。大垣女子短期大学客員教授。

プロフィール

羽尻利門 (ハジリトシカド)
1980 年、兵庫県うまれ、徳島県在住。立命館大学国際関係学部卒業。児童書のさし絵、絵本の分野を中心に幅広く活動している。おもなさし絵の作品に『わすれものチャンピオン』(花田鳩子/作、PHP 研究所)、『天国にとどけ! ホームラン』(漆原智良/文、小学館)、『坂の上の図書館』(池田ゆみる/作、さ・え・ら書房)などがあり、絵本の作品に『あいつとぼく』(辻村ノリアキ/作、PHP研究所)、『やめろ、スカタン!』(くすのきしげのり/作、小学館)などがある。日本児童出版美術家連盟会員。



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