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“おばけのアッチ”の生みの親 角野栄子さんインタビュー

2017年8月に、角野栄子さんの代表作「小さなおばけシリーズ」の最新刊『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』が発売されます。本シリーズは1979年に第1巻目の『スパゲッティがたべたいよう』が刊行されて以来、子どもたちの絶大な支持を集め、世代を超えて長く愛され続けるロングセラーとなっています。

今回は作者の角野栄子さんに、シリーズの誕生秘話や最新刊『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』について、お話を伺います!


角野さんは1970年の『ルイジンニョ少年』でデビューを果たし、おばけのアッチたちが登場する「小さなおばけシリーズ」など、ロングセラー作品を多数手掛けています


──角野さんの「小さなおばけシリーズ」は約40年にもわたり、多くの方々から愛され続けている作品ですが、世代を超えて愛される理由はどこにあると思いますか?


角野さん──約40年も続いている作品なので、愛される理由がきっとあるのでしょうね。そのひとつは、キャラクターでしょうか。心惹かれるキャラクターがいると、そのキャラクターに共感したり違うと思ったりしながら読みますよね。それから、もうひとつは、予想できない「あれっ?」という展開。お話の続きが気になって、気がついたら最後まで読んでしまうストーリー。けれど私は、そういうふうに物語を読んでほしいと狙って書いている訳ではないのよね。自分が面白いと思うことを書いている。そして、ありがたいことに、その面白さを読者が共有し続けてくれている。だから、40年も続けてこられたのだと思います。最近では、子ども時代に「小さなおばけシリーズ」を読んで育った方が、お子さんに薦めてくださっているというお話もよく伺います。


──親御さんからお子さまへと、時代を超えて作品が読み継がれていくのは本当に素敵なことですよね! この「小さなおばけシリーズ」はどんなふうに生まれてきたか、背景を教えていただけますか?


角野さん──私は、1970年にデビュー作の『ルイジンニョ少年』を刊行したのですが、その後7年ぐらいは、ずっと一人で書き続けていました。ようやく人にお見せできるようになって出版したのが、『ビルにきえたきつね』という童話です。さらに転機となったのは、学研の学年別雑誌の『読み物特集号』。これは、読み物をたくさん収録した特集号で、寺村輝夫さんや舟崎靖子さんなど、毎年きら星のような作家の書き下ろし作品が掲載されていたので、私には注文が来ないだろうと思っていたんです。けれど、ある作家のピンチヒッターとして、急に私が依頼され、その時に書き下ろしたのが『スパゲッティがたべたいよう』でした。


7/15には神保町・ブックハウスカフェにて、トークショー「おばけのアッチがうまれてから」を開催。『おばけのアッチ』の誕生秘話などを会場の方へ伝えてくださいました


──『スパゲッティがたべたいよう』の誕生には、とてもドラマティックな背景があったんですね! この作品は、1979年に幼年童話として挿絵付きで出版されましたが、初めて佐々木洋子さんが描かれたアッチの絵を見た時の感想はいかがでしたか?


角野さん──私の中ではシーツを被ってフワッと浮いているようなおばけのイメージだったので、ちょっと違和感がありましたね(笑)。佐々木さんの描いたアッチには手足もあるし……。でも手がないとお料理が作れないから、あって良かったです(笑)。それから、佐々木さんには、アッチのしっぽの先がフォークだったりスプーンだったり形を変えてほしいと、私の方からお願いしました。


──アッチの魅力的な姿は、角野さんのアイディアも取り入れられていたのですね! 最新刊『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』でも活躍するドラキュラの孫娘・ドララちゃんは、どのようにして誕生したのでしょうか?


角野さん──「小さなおばけシリーズ」では最初、「えっちゃん」という女の子が活躍していたのですが、『おばけのアッチのあるかないかわからないごちそう』を機に、「えっちゃん」は小学校に入ってこの物語から卒業してしまったんです。でも誰か一人、女の子がいてほしいなと思って、ドラキュラ城のドララちゃんを登場させました。私がルーマニアを旅したとき、ドラキュラ城のモデル・ブラン城へ実際に訪れたことから思いついたキャラクターですが、ドラキュラの娘じゃなくて孫娘っていうのが面白いでしょ?(笑)。


トークショーでは会場にいらした方からの質問にもお答えし、角野さんの物語への愛情が伝わる濃密なイベントとなりました


──「ちいさなおばけシリーズ」にまさかドラキュラの孫娘が出てくるなんて思わなかったので、最初はびっくりしました!(笑)。最新刊では偽物が現れて、本物のドララちゃんはドラキュラ城から追い出されてしまいますが、今回のようにユニークなストーリーを作るのに何かきっかけというのはあるのでしょうか?


角野さん──残念ながら、特にきっかけというのはありませんね(笑)。でもドラキュラって、イメージをとってもかきたてられる存在です。ドラキュラ城があるルーマニアには森がたくさんあるんです。その森の中には、変なモンスターがいて、ドラキュラのお城を乗っとっちゃえと思っている。どんな方法で乗っとるのかな?……などと考えていると、特にこうしようと意識しないでも、自然と面白い物語が浮かんできます。どうしても浮かばないときには、編集さんに助けてって言っちゃいますけど(笑)。


──物語を紡ぐということは、理屈ではなく想像力による力が大きいんですね! 最後にはなりますが、「小さなおばけシリーズ」を楽しみに待つ読者の方へメッセージをお願いします!


角野さん──私は先生ではないので、こういう風に読みなさいとか、こう解釈しなさいとか、読んだらためになるとか、そういうようなことは一切言わない主義で、むしろ本は自由に読むべきだと思っています。でも幼稚園から小学校低学年くらいの年齢は、読んでもらうのではなく、自分で読むことを覚える大事な時期だ、ということは言いたいですね。書いてあることが全部わからなくても、自分ひとりの力で1冊の本を読む、ということがすごく大事。それって、とっても楽しいし、誇らしいことでもあるんですよね。その段階を経ていないと、その後、本好きになるのはなかなか難しいことだと思います。
お子さんたちが本を読まなくなったってよく聞きますが、その前に、親御さんたちが家で本を読んでいないじゃないかしら。電子書籍を読んでいらっしゃるのかもしれませんが、お子さんに紙の本を読んでいる姿を見せてほしいですね。大人が夢中でページをめくっている姿を見ると、お子さんは、本っておもしろそうだな? と思ったり、自分も読みたいって憧れるようになりますよ。親御さんはどんどん自分の好きな本を読んでください。『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』を、お子さんに読み聞かせしてもらってもいいんですよ。


──角野さん、ありがとうございました!


企画展「こどもと本が出会う場所」のオープニングイベントとして開催された角野さんのトークショーは、大盛況のうちに幕を閉じました


 今回お話を伺った角野栄子さんは、7月15日に行われたトークショー「おばけのアッチがうまれてから」でも、「小さなおばけシリーズ」の誕生秘話や物語への思いを、わかりやすい言葉で会場にいらした方々へ伝えてくださいました。

「小さなおばけシリーズ」の最新刊『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』では、自分のにせものにお城を追い出されたドララちゃんが、アッチやのらねこのボンと力を合わせてピンチを乗り越えます。アッチやドララちゃんたちの活躍が光る本作を、これまでの作品と合わせてぜひお楽しみください!


角野さんが手掛ける「小さなおばけシリーズ」の最新刊『おばけのアッチ ドララちゃんとドララちゃん』では、ドララちゃんのにせものが登場しちゃいます!


文=椋鳥

プロフィール

角野栄子 (カドノエイコ)
1935年、東京に生まれる。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。ブラジルでの経験をもとにした『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』(ポプラ社)でデビュー。「小さなおばけシリーズ」、『魔女の宅急便』(野間児童文学賞・小学館文学賞)はじめロングセラー多数。


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