ポプラ文庫 日本文学(396)
([ひ]5−1)失せ物屋お百
「妖怪の子預かります」「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」シリーズの著者が贈る、怪異に満ちたお江戸物語!
発売年月 |
2020年2月 |
ISBN |
978-4-591-16608-6 |
判型 |
文庫判 |
サイズ |
151mm x 105mm |
ページ数 |
235ページ |
主な対象年齢・学年 |
高校
一般
シニア
|
本の種類 |
文庫
|
ジャンル |
小説・文芸
|
定価 |
704円(本体640円) |
<プロフィール>
神奈川県生まれ。『水妖の森』で、ジュニア冒険小説大賞を受賞し2006年にデビュー。主に児童書で活躍しているが、一般小説も手掛けいる。作品に、「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」「十年屋」「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。
<内容>
薄気味悪い住人が集い、怪しい大家が取り仕切る、この世の果てのような長屋―−通称「化け物長屋」に住む女・お百は生まれつき左目が青い。
その目は青いだけでなく、不思議なものを見つける力、人には見えないものが見える力を宿している。それゆえに実の親からも疎まれ、様々な苦労をしてきた。
行き遅れたまま三十路近くになった今では、すっかりひねくれ、やさぐれ、かつ開き直っており、不思議な目を使って「失せ物屋」を営んでいる。
ある晩、死にかけていた子狸・焦茶丸を助けたところ、お百を見るや、「主様の鱗を返せ!」と言う。
三十年ほど前、山神の鱗百枚がばらまかれた。山神の浮気を怒った女神のしわざで、鱗はあちこちに飛び散ったという。山神は家来達に鱗を集めるように命じるが、まだずいぶん欠けたままだという。そして、子狸の言うことには、その鱗の一枚が、お百の左目に宿っているというのだ。
自分が苦しんできたことの発端が、神様の痴話喧嘩だと知り、お百は激怒。「この目で千両稼ぐまでは、絶対に返さない!」と宣言する。目を離すわけにもいかないと、焦茶丸も一緒に暮らすことに。
以後、一人と一匹は、江戸に満ちる様々な因果や失せ物を見つけることとなる――