第12回:石川県・ののいち学校図書館司書の会 2022年度レポート
(後半)~小中学校司書による調べる学習相談室編~
前回に引き続き、ののいち学校図書館司書の会から届いた2022年度の「ポプラディア第三版」活用レポート。前半は各小学校で行われた「ダウンロード素材活用編」! 今回は「小中学校司書による調べる学習相談室編」編です。
(前半)「ダウンロード素材活用編」はこちら
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「野々市市立小中学校司書による調べる学習相談室」での「ポプラディア」活用
野々市市では7月23日を「ののいち子ども読書の日」として、その前後の7月から8月までの間にかけてこどもや親子に向けた読書イベントが図書館や保育園・学校など各所で開催されます。
今年度は学びの杜ののいちカレード(市立図書館。以下、カレード)と共催で「野々市市立小中学校司書による調べる学習相談室」を開催しました。市司書事務連絡会(野々市市生涯学習課、カレード、市立小中学校・市内にある県立高校の学校司書で構成される連絡会)で学校司書とカレードが共同でできることはないかと検討し、開催に至りました。夏休みに多くなるのが、調べ学習のレファレンス。本を提供したくて質問を聞くと漠然としたものが多く、公共・学校図書館員を悩ませます。こどもたちがグッと絞り込んだテーマを考えるきっかけになればと考えた企画です。
学びの杜ののいちカレードの児童図書スペース(学びの杜ののいちカレード施設案内パンフレットより)
会場には「ポプラディア」のほか、「ポプラディア情報館」シリーズなど調べる学習に役立つ参考資料を準備し、具体的なテーマの決め方や百科事典の使い方など、ワークシートを使って調べる際に役立つ手立てを示しました。開催告知はカレードが、ワークシートをはじめとする配布資料や掲示資料は学校司書がそれぞれ作成しました。
「野々市市立小中学校司書による調べる学習相談室」はカレードの研修室・会議室にて2022年7月26日、8月5日の2回開催しました。感染防止対策のため1回を30分・定員10人(当日受付)に区切り、時間を4回に分けて実施しました。参加者は1回目18名、2回目21名で、野々市市のみならず隣接する金沢市・白山市からも親子連れの参加がありました。
アンケートを実施しなかったため正確な感想を得ることはできませんでしたが、参加したこどもたちはそれぞれ調べる学習に手ごたえを感じている様子でした。
学校司書のみなさんが作成した、オリジナルのワークシート(写真提供:ののいち学校図書館司書の会)
テーマを決めてから最初に「ポプラディア」を手に取り、そこからさらに参考資料を自ら探して進めていく様子が多く見られました。今回は企画から開催までの期間が短く急仕上げの感がありましたが、来年度以降は準備に時間をかけて臨みたいです。毎年定期的に開催できれば「調べる」ことへの意欲をより高めることができると考えます。
「ポプラディア第三版」を開き、ワークシートを用いて調べる児童(写真提供:ののいち学校図書館司書の会)
2022年度、「ポプラディア第三版」を活用してみて
「ポプラディア」を用いた百科事典の利用指導は学校司書のこれまでの蓄積と、さまざまなツールとの組み合わせでより幅が広くなることが各学校の実践から明らかになりました。「Hello!ポプラディア」から提供されたダウンロード素材は大変優れており、こどもたちのみならずクラス担任の間でも好評を得ました。
「野々市市立小中学校司書による調べる学習相談室」においても「ポプラディア」は最初に調べるツールとして特に多く利用されました。参加者に「ポプラディア」を実際に引いてもらい、「調べ物のスタートは百科事典!」を体験してもらいました。親子1組に学校司書1名が寄り添って、使い方を丁寧に伝えることができました。
「野々市市立小中学校司書による調べる学習相談室」会場にて、学校司書が参加者に百科事典の使い方を丁寧に伝えている(写真提供:ののいち学校図書館司書の会)
今後も引き続き、日常的に「ポプラディア」を使うことを推奨し、さまざまな学習に役立てられることを学校司書として伝えていきたいです。
文責・協力:ののいち学校図書館司書の会
各小学校の授業時間で、学校司書と市立図書館の共同イベントで。野々市市では、市全体で百科事典を使った調べ学習について取り組んでいる様子が伝わってきました。公共図書館と学校図書館が連携し、こどもたちの主体的な学びを支えているのですね。
これからも百科事典の意義や魅力を発信していきたいと思いますので、自治体や図書館、教育関係者の方々からもコメントや事例等をお知らせください。「総合百科事典ポプラディア」活用ナビ「Hello!ポプラディア」では、活用事例の投稿コーナーをご用意しています。みなさんの参加をお待ちしています。
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