すこし先の話だけど息子は今年、七五三をする。そもそも七五三でやることってなんぞやとグググっとググってみると「神社への参拝、家族での食事、写真スタジオなどでの記念撮影」とある。
参拝は妻が巫女としてバイトしていた神社にいこう、お宮参りもそこへいった。写真はぼくが撮ればいい。浮いた写真代で食事はちょっといいお店にいこう。
さて、息子の服はどうしよう。どう考えてもお参りの日と写真を撮る日ぐらいしか袖を通さないのだからレンタルでいい。
レンタル業者をグググっとググってみると、レンタル料金はだいたい2万円が相場のようだ。じゃあ購入するといくらなんだろう?とまたグググっとググってみると、上をみればキリがなさそうだけど、相場はやはり2万円というところだ。
ふと結婚式でウエディングドレスを選んだ日のことをおもいだした。ウエディングドレスは4時間ぐらいしか着ない。妻とぼくには最初から購入するという選択肢はなくレンタルをしようとしていた。
妻が選んだ式場で用意されているウエディングドレスのレンタル料は30万円だった。けっこうお高い。このドレスを購入したらいくらなんですか?と質問すると、プランナーさんはその質問はせんでくれという、すこしバツの悪そうな顔をしながら「購入しても…30万円…です。」と答えてくれた。ブライダル業界ではこれが常識なんだろう。
30万円の予算があったらバーバリーのトレンチコートが買える。バーバリーのトレンチコートなら20年は着れるし、売ることだってできる。
20万円のカメラを一日レンタルするとだいたい5000円、200万円の車を一日レンタルすれば1万円ぐらいがレンタル料金の相場だ。ぼくはそれまでの人生で車とカメラとDVDしかレンタルしたことがなかったので常識の違いに驚いた。
もちろん繊細なドレスは堅牢につくられてる車やカメラと違うのは重々承知だ。でも販売金額とレンタル料金がまったく一緒ってさすがにどないやねん?減価償却はどうなってるんだ。ウエディングドレスのレンタル専門業者の相場が2〜3万円ぐらいであることを考えると、やはりこの価格設定はちょっと強気だ。
でもプランナーの目の前にいる新郎と新婦はリピート客にはなりようがないのだ。離婚して再婚して、もしもまた結婚式をあげるにしても、普通に考えたらおなじ式場は利用しないだろう。気まずさがマックスだ。
商売を継続させるためにも、観光地価格やお祭りの屋台価格やインバウンド価格のようなものになってしまうのは理解できる。いろんなところで上乗せしていくしかないのだろう。
七五三の服を探しながら走馬灯のように、ウエディングドレスのことをおもいだした。購入金額とレンタル金額がほとんどおなじなら、購入をして写真を撮ったりお参りしたあとに、クリーニングをして来年の9月ぐらいにメルカリで売ったほうがいいじゃないかという結論に落ち着いた。
それにレンタルよりも余計な神経を使わなくてすみそうだ、なにせ着るのが5歳の男子だ。さっそく妻が注文をして自宅に届いた、息子はよろこんでいる。ちょっと早い気もするけど、桜の季節に七五三の写真を撮りたい。たのしみだ。