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ほぼ週刊連載 幡野さんの日記のような写真たち

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 息子がジャンケンを覚えたようで、いかなるシーンでもジャンケンをふっかけてくる。
 愛息といえど手加減はしない、ぼくは接待ジャンケンなんぞしたくない。

 自分でいうのはアレだけど、ぼくはジャンケンが強い。ジャンケンなんて運や確率の勝負だから強さは関係ないとおもわれるかもしれないけど、その確率を最大限まで引き上げる魔法則がある。

 ジャンケンは高い戦略性が必要で、そこに瞬発力と判断力が求められる高度なゲームだ。
 たかがジャンケンとおもわないでほしい。

 かけ声は「さいしょはグー」にする、これは絶対だ。はじめにグーをだすと、人はチョキかパーをだしやすい。そのときにチョキをだせば負ける確率はいちばん低い。チョキを出してあいこだったら、次にグーかパーをだしやすいので、パーをだせばいい。その繰り返しだ。

 つまり、自分がだした手に負けるものを出していけばいい。最初はグー→チョキ→パー→グーといった具合だ。この魔法則を熟知しているので、息子とジャンケンで勝負するなんて赤子の手をひねるようなものだ。

 「さいしょはグー、じゃんけんぽんっ」息子が声をかける。ぼくの初手はもちろんチョキだ。息子の初手はグーだった。なってこった、あっさり負けた。

 敗因は息子が手の形を変えるのがめんどくくさがったか、お父さんとのジャンケンに緊張をして瞬発力が失われたことだろう。これは予測できなかった。

 勝利の味をしめたのか、さいど息子に勝負をふっかけられる。息子よ、それは勝者の奢りだ。君はいまグーで勝ったからきっと次もグーでくる。そしてお父さんは、パーで勝つ。

 「最初はグー!!じゃんけんぽんっ!!」こんどはぼくが声をかけた。すこしだけ大きな声で、早口でいった。これで息子はあせり、緊張して握りしめたグーをそのままだすはずだ。これが戦略だ。

 ぼくはパー、息子もパーだった。予想外だ、あいこに持ち込まれた。ここで気づいたけど、息子はきっとチョキをださない、いやだせない。チョキの形状は幼児にとってすこし複雑だ。

 息子はグーかパーしかだせない。つまりこちらがパーだけをだしていれば負けることはない。次で決める。

 「あいこでしょっ」息子が声をだす。
 ぼくの二手はもちろんパー、息子の二手はチョキだった。勝てない。
 息子はうれしそうだ、完敗だった。

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