新幹線が変形してロボットになって敵とたたかう、シンカリオンというアニメがある。
3歳の息子がハマっていて、アルミ製のヤクルトのフタをはがすときでも「しんかりおーん」と声をだして力をだしている。だいたいフタがはがれた瞬間にピュッとヤクルトがとびちる。ぼくはそのときに「シンカリオーン」といいながらティッシュでとびちったヤクルトを拭き取る。
お風呂にはいるときも、防水のBluetoothスピーカーでシンカリオンのオープニング曲をリピートでながす。息子はノリノリなので体を洗うのもはやい。曲の歌詞のなかに時代という言葉がでてくる。あれはなに?これはなに?という質問期に突入した息子に『じだいってなに?』と質問をされる。
時代…なんだろう。あれ、なんだ時代って。37歳になって時代がわからないぞ。3歳の子どもに時代が説明できない。いや、縄文時代だとか江戸時代だとかそういうことはわかる。
でも時代そのものを包括するような、概念がなんたるかがわからない。
ここでうっかり「期間のことだよ」なんてこたえると質問期の息子から『きかんってなに?』がかえってくる。子どもの質問期は知識を吸収する大切な時期であり、大人とのコミュニケーションでもあるので、答えだけを与えればいいというものでもない。
時代じだい、うーーーん。とけっこう悩んでしまい。一曲リピートされてまた時代という歌詞がうたわれたころに『時代というのは人が生きるということです』となにかを達観したような答えをしてしまった。
その答えが正解なのか不正解なのかもわからないけど、お父さんとのコミュニケーションに満足したのか、息子はボディーソープのボトルを『しんかりおーん』と叫びながらポシュポシュとおしている。
「ひとがいきるってなに?」がかえってこなくてよかった、ふやけるほどにまた悩んでしまう。