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(後半)【第三版への道のり】図書印刷株式会社のみなさん・株式会社ポプラ社 製作ユニット 君塚英司



 引き続き、図書印刷株式会社のみなさん・株式会社ポプラ社 事業インフラグループ 君塚英司に聞く『総合百科事典ポプラディア第三版』の道のりです。前半はこちら

――小口に各巻の見出しの五十音をパッド印刷したことも、「ポプラディア」としては初めての試みでしたね。
※小口…製本した際の、断裁面。辞書などは小口面に見出しの五十音やアルファベットが印刷されているものも多い
※パッド印刷…スタンプのようにインクを押しつける印刷方法



「ポプラディア第三版」の小口。見出しの五十音が印刷されている
山口 「「ポプラディア」の小口に見出しがあると良いなと思ってはいたのですが、これまでの版では、なかなか手をつけられずにいました。「ポプラディア第三版」で小口印刷をしたいと依頼したとき、そのためには機械を改造する必要があるとお聞きして。改造の費用もかかることですし、印刷の工程も増えるわけなので編集のスケジュールは絶対に遅らせることはできないなと。結果的には機械の改造を無駄にすることなく、小口印刷もきれいに仕上げていただいて、ありがたかったです。機械の改造がどういったものだったのか、お聞きしたいと思っていました」

三好 「小口印刷を行うユニット部分の対応サイズを拡張する改造を行いました。もともとは最大でB5判まで対応していたところを、「ポプラディア第三版」のサイズ(A4変型判)まで対応できるように広げる改造です。
小口印刷は、折(本の紙を束ねたもの)を糸でかがって冊子にした後に行います。機械の改造を考える前は、小口印刷だけオフラインで行う(生産ラインから一旦外して別の機械を使用する)ことを想定していましたが、それではスケジュールに間に合わないということで、インライン(生産ライン内)で印刷できるように改造しました」

田之口 「小口印刷だけオフラインとなると、校了(編集や校正が終わること) を1カ月早める必要があったんですよね」

新村 「オフラインですと1時間800冊程度しか小口印刷が進められない想定だったので」

田口 「そのペースでは、納期に間に合いません!」

君塚 「「ポプラディア第三版」全18巻分を1万5000部印刷するとなると、全部で27万冊。とても追いつきませんよね」

新村 「大型枚葉印刷機(VLF)を使って印刷のスピードを2倍にしたこと、小口印刷をインラインで行ったこと。この2つがあったからこそ、納期に間に合わせることができたと思っています」

君塚 「途中、スケジュールによっては小口印刷を断念するかという話も出ました」

山口 「正直、そこは覚悟をしていました」

新村 「小口印刷は4冊同時に行いますが、印刷する位置の精度もこだわりました。同じ形の同じ本であっても、冊子の紙の状態で印刷の具合に差が出てしまいます。折(本の紙を束ねたもの)を糸でかがって冊子にした後、表紙を付ける前に小口印刷の工程に進みますが、冊子をパレット(荷物を載せる台)に積んでいる間、下に積まれていたものと、上に積まれていたものでは、冊子にかかる荷重の大きさにより厚みに微妙な違いが出ます。均一な小口印刷が行われるよう、常に見張り、微調整をしていました。また、冊子の厚みが均一になるように重しを置いたり、定期的に上下の積み替えを行ったり、工夫をしました」

木本 「一度に印刷する部数を減らすと精度が上がりますが、そうすると納期に間に合わない。実は、小口印刷の回転速度はスケジュールを左右する、ボトルネック(全体の作業工程のなかで生産性の低下を招いている工程)でした」

三好 「小口印刷については、長く悩んでいましたね」

山口 「軽く考えておりました……」

田口 「小口印刷の工程になぜそんなに時間がかかるのだと、思われていたと思います(笑)」


インタビュー中に談笑する場面も


――実際に作業を進める側と、依頼する側、見えているものが違うのですね。こういったことは、もっとたくさんあるのだと思います。
編集側から出てくる「あれがしたい」「これがしたい」といったアイディア。どう思っていましたか?

君塚 「何か新しい要素が増えるたびに、悩ましかったです! 桁違いの量の紙を発注しなければならなかったのもあって、何よりスケジュールを第一に考えていました。スケジュールに間に合うよう、図書印刷のみなさんには色々と相談をしました」

三好 「いただいた要望は、すぐに対応できるもの、そうでないものに分かれます。すぐに対応できるものでなかった場合は社内で相談しながら、まず実現可能かどうかを検討していきました」

君塚 「図書印刷では現場(自社工場)と営業の方が密に連絡を取り合って、仕事が進んでいく印象です。また、先ほど機械を改造したという話が出ていましたが、全ての印刷会社がこういった対応をできるかというと、そうではないと思います。協力工場に印刷を委託している場合なんかは、なかなか難しい。現場で色々と工夫をして、何とか実現に向けて動いてくださいました」

――図書印刷のみなさんからも、「強み」を聞かせてください。

田口 「営業としては、営業と現場で共有してアイディアを出し合い、より良い解決策を見つけられることかと思います」

新村 「現場としても、現場と営業のつながりが強いところでしょうか。お客様と同行する場合でなくても営業担当者が自社工場の立ち合いに来るなど、コミュニケーションは深いですね。
「ポプラディア」で過去の社内メールを検索すると500件ほど! やり取りがとても多い案件でした。当時製本部長だった森(現:工場長)と営業の田口がメールで喧嘩をしていることもありましたが(笑)、言い合える環境が、良いと思います」

――「ポプラディア」を作るにあたって一番大変だったところは、どこでしょう。

新村 「とにかくスケジュール管理が大変でした。納期までにスケジュールをいかにはめ込むか。その上で、想定外のトラブルにも対応する必要がありましたので」


スケジュール管理など、当時のことを振り返る

三好 「図鑑のような仕事であればこれまでも単発で印刷することがありましたが、全18巻というボリュームは初めてでした。18巻すべての品質を安定させることは特に気にしていました。用紙は通常サイズの2倍の大きさの用紙を手配してもらいましたが、念のため、用紙を半分に切断した通常サイズでも印刷できるように検討しておくなど、さまざまな想定を考慮して準備をしました」

田口 「営業としては物量が多く、金額も大きいので、何かあった時に取り返しがつかないという責任感は大きかったです。スケジュール管理や製造指示など工場と密に連絡を取って慎重に進めるようにしました」

新村 「あとは資材や印刷物の保管場所です。工場内には置ききれず、色々な場所に分散して保管する必要がありました」

君塚 「使用する紙があまりに量が多いので、順次製造した紙を現場に渡し、順次印刷するという流れでしたね」

田口 「各巻の校了予定と印刷開始タイミングに合わせて用紙を搬入してもらい、校了した巻から順次印刷し、次の製本工程へとスムーズに進むように進行管理を行っておりましたが、この流れを切らさないようにするのが大変でした」

山口 「編集としては全18巻を順次校了させる必要があり、後の巻にまだ赤字を入れている段階で、既に校了した巻は印刷されていくという緊張した状態が2カ月ぐらい続いていました」

――ちなみに、初刷では何トンの紙を使用したのですか?

君塚 「約270トンです。ポプラ社全体で使用する紙が年間約4,000トン。「ポプラディア第三版」初刷だけで相当な量になりますね」


「ポプラディア第三版」初刷だけで、ポプラ社が年間で使用する紙の約7%を使用。驚きの声があがった

――部数や物量、印刷の技術といったところで、「ポプラディア第三版」に似ている出版物は何だと思いますか?

三好 「組版(文字、写真、図版などの原稿を配置し、紙面を構成すること)は辞典に似ていて、仕様としては図鑑に似ていると思います」

田口 「辞典も図鑑も担当したことがありますが、「ポプラディア」は辞典と図鑑をまとめたような本。百科事典って、そういうことですよね」

――正直なところ、「ポプラディア第三版」の仕事が来たときは嬉しかったですか?

田口 「それはもちろんです(笑)」

三好 「仕様的なところでいうと、沼津工場(自社工場)の印刷機・製本機も今回の仕様に合致していて、まるで「ポプラディア」のための工場だと思い、ぜひ挑戦したいと思いました」

――「ポプラディア第三版」ができあがった、と感じたのはどの段階でしょう。また、そのときどう思いましたか?

三好 「全巻揃ったときです。感動しました。満足のいく本ができたと思いましたし、長い期間にわたり関わったので、やっと終わったという思いでした」

田口 「トラブルもなく無事に納品できたとき、安心したというのが一番大きかったです」

新村 「印刷が終わったときに一区切りついたと感じましたが、その後も製本、検査と続いたので、印刷と製本のメンバーで一緒に「ポプラディア第三版」を送り出したときには終わった! と思いました」

木本 「現場としては「できた」から終わりではありません。購入者の手に渡り、満足していただけているのか……まだ不安は続いています」

君塚 「最後の納品先への搬入も複雑でしたよね。間違いなく、事故なくやり遂げていただきました。正直2年ぐらい、ストレスでした(笑)。2021年11月11日 、各取次会社様への搬入日の夕方頃、やっとホッとできたと思います」

山口 「これまで「ポプラディア」を2回作ってきて、これ以上やれることはないと思っていましたが、色々なアイディアを出して、図書印刷のみなさんにご協力いただけたおかげで、良いものができたと思っています」

――「ポプラディア第三版」読者のみなさんに、一言お願いします。

新村 「興味を持てることが、「ポプラディア第三版」の中にきっとあると思います!」

木本 「この本さえあれば、自分の好きなものをきっとチョイスできると思います。ぜひ読んでみてください!」



図書印刷株式会社のみなさんと、君塚英司(ポプラ社)



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