1947年6月に創業したポプラ社は、創業70周年を新たなスタート地点として、さまざまな新しい取り組みを行ってきました。そしてこれからも変わらぬ姿勢で企業理念の実現を志して歩んでまいります。
日本橋髙島屋を皮切りに現在も全国を巡回中の大型展覧会「かいけつゾロリ大冒険展」、壮大な冒険を描いた新刊『かいけつゾロリのかいていたんけん』『かいけつゾロリのちていたんけん』、大きな感動を呼んだ「映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ」、コラボキャンペーンや大型イベントが30周年を機に実現。また、31年目に向かう作者・原ゆたか先生が密着取材された特別番組がNHK総合にて子どもの日に放映されました。
ポプラ社70周年記念作品として刊行された『かがみの孤城』(辻村深月:著)が「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 」2018年本屋大賞を受賞しました。幅広い読者に支持され2018年6月時点で累計55万部を突破。全国書店で大々的に展開されています。
70周年記念作品として刊行された『あるかしら書店』(ヨシタケシンスケ:著)は紀伊國屋書店員が全力でおすすめする本のランキング「キノベス!」で第3位。子どもたちにも支持され「小学生がえらぶ!”こどもの本”総選挙」では第2位となりました。2018年7月現在16万部を突破しています。
全国の小・中・高等学校で3万セット以上の採用実績を誇る『総合百科事典ポプラディア』の姉妹編として創刊された「ポプラディアプラス」シリーズの第1弾。掲載人物4300人以上という圧倒的な収録人数と充実した学習資料集、そして、さまざまな調べ方ができる索引が高い評価を受け、全国の数多くの学校や公共図書館で採用されています。
見た目はおしり、推理はエクセレントな名探偵「おしりたんてい」。絵本・読み物をあわせたシリーズ合計で累計300万部を突破し、2018年5月、NHK Eテレでテレビアニメ放映がスタートしました。
ポプラ社70周年の記念企画として若手社員によって考案された「小学生がえらぶ!”こどもの本”総選挙」は、最終的に12万人以上の小学生による票が集まり、子どもの日に開催された、子どもプレゼンターとアンバサダー又吉直樹さんが登壇した表彰式は多くのメディアで取り上げられました。
絵本を親子のコミュニケ―ションにつかってほしい! 絵本を通じてもっともっと親子の笑顔を増やしたい! そういう子育て中の社員の想いを形にしたのが、一昨年にスタートした『のびのび読み』の活動です。「のびのび読みフェア」が店頭で大きく展開され、保育士さんやパパママのヒアリングを重ねた新しいタイプの赤ちゃん絵本『ぱかっ』『あかまる どれかな?』がヒットするなど、着実に育っています。子どもたちと「本」との出会いを広げるためにこれからも活動を推進していきます。
わたしたちは、ひとが生きている限り常に状況が変化することを知っています。人生は楽あれば苦ありということも知っています。だからこそ、こどもたちに、変化に対応する柔軟さと困難に立ち向かう勇気を持って欲しい、強く生きて欲しいと願います。と同時に、他人の痛みを理解し思いやる気持ちを大切にして欲しい、美しく生きて欲しいと願います。
コンピュータ技術の進歩により機械ができることがどんどん増えていますが、状況の変化に柔軟に対応し工夫や発明によって困難に立ち向かったり、多様な価値観を理解し相手を尊重しようとすることは人間にしかできないことなのではないでしょうか。この人間にしかできないことは、「強く生きる力」「美しく生きる力」と言い換えることもできます。これらの力は経験や人との関わりの中で培われます。
わたしたちは本の中で様々な体験をすることによって、知識を得、共感する力や考える力を育んできました。あっと驚くしかけ、手に汗握るストーリー、新しい発見の数々。誰でも夢中になってページをめくった本があります。その一冊一冊が人生の糧となり、心を磨く石となっているはずです。文字や絵によって大切なことを表現することや、それを読んで意味や感情を理解することは、強く生きる力や美しく生きる力を育むうえで欠かせないものであると信じます。生活の様子が大きく変化している今だからこそ、本を読むという文化を大切に受け継いでいきたいと願ってやみません。
私たちポプラ社は、こどもと昔こどもだったすべての人が読書によって人生を豊かにするお役に立てるよう、これからも良質な「本」を刊行するだけでなく、よい本と出会う接点を増やすための活動を積極的に行ってまいりたいと思います。