『お探し物は図書室まで』(著 / 青山美智子)が「2021年本屋大賞」で2位に選ばれました!
たくさんの応援、本当にありがとうございました!
『お探し物は図書室まで』は、ふとしたきっかけで町の小さな図書室を訪れた、立場も年齢も異なる5人の人物を通して、働くこと、生きていくことを見つめ直させてくれるあたたかな感動作です。
この機会にぜひお手に取ってくださいませ。
「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 本屋大賞」とは。
商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員さんが、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないかという考えのもと、発案された賞です。新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員さんの投票で決定します。
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本屋大賞の選考方法
1.一次投票で一人3作品を選んで投票
2.一次投票の集計結果、上位10作品をノミネート本として発表
3.二次投票はノミネート作品をすべて読んだうえで、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票。
4.二次投票の集計結果により、大賞作品を決定。
投票の得点換算→1位=3位、2位=2点、3位=1.5点
★「本屋大賞」HPはこちら>>>
青山美智子さんから喜びのメッセージが届きました!
この小説を書き始めた2020年の春の始まりは、予測できない事態が次々に起こり、なんだかSFの世界にいるみたいだと感じていました。でも、内容は違っても、人類は昔からこんなふうに太刀打ちできない不安を何度も抱えながら生き抜いてきたんだろうなと思ったりも。
それは、「だから人々には物語(フィクション)が必要なのだ」という確信でもありました。
先の見えない不透明な日々を送りながら、ふと、先の見える透明な未来なんてあるだろうか、と思います。
先のことがわからないというのは、悪いことばかりではありません。今まで自分からはずっと遠いところにあると思っていた本屋大賞にノミネートされたこと、そして2位をいただけたこと。ほんの数ヵ月前の私にはまったく見えていなかった景色でした。
こんなにたくさんの書店員さんが応援してくださっていることは、今回の喜びだけでなく、これからも自分の書きたいことを信じていいのだという大きな励みになりました。本当にありがとうございます。ほとんど無名の新人である私の小説を、読者さんに伝え繋いでくださった書店員さんのおかげでここまで書き続けることができました。
そして、身動きの取りづらい中で最善を尽くしてくださった編集の三枝さんを始め、愛情のこもった大きなサポートをくださったポプラ社の皆様に心から感謝します。
みんなでこの小説を創り上げ世に出していくことが、すごく楽しくて嬉しくて、たくさんの幸せをいただきました。多くの読者さんの手に取っていただけるような作品をまた一緒に生み出していけることを、今から願ってやみません。ありがとうございました。

- 青山美智子
- 1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』、『ただいま神様当番』など。
『お探し物は図書室まで』あらすじ
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集……。
そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。「本の付録」と――。
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。