首都圏最大級のファミリーイベント『
かぞくみらいフェス2019』が、3月27日(水)から2日間にわたって東京国際フォーラムで開催されました。ポプラ社からは、赤ちゃんに絵本を体験してもらう
「のびのび読み」活動の一環として、赤ちゃん絵本ためし放題の「絵本と遊ぼう!」ブースを出展しました。
この
「のびのび読み」とは、自由にのびのびと絵本に親しむ様子を表現したものです。赤ちゃんに絵本を読むと、反応が無かったり、舐めたり投げたり、時には破ってしまうこともあって、「ちゃんと読んでくれない」「お行儀がわるい」と嘆いてしまうことがよくあります。ですが、赤ちゃんと本のふれあい方はそれでいいのです。赤ちゃんのうちから本に触れ、いずれは本を読む習慣につなげてほしい。そんな想いから、「のびのび読み」応援活動はスタートしています。
最近は、書店でのフェアの開催や、地域貢献活動としてYahoo!のファミリーイベントでの親子休憩室への協力など、「のびのび読み」が体験できる場所を増やし、活動の幅を広げています。今回の『
かぞくみらいフェス2019』では、新たな試みとして7つの出版社(アリス館、岩崎書店、童心社等)の協力をもって、出版社の枠を超えた幅広いジャンルの絵本が子どもたちに提供されました。
その他、主催者かぞくみらいフェス実行委員会の運営協力もあって、多くの親子に絵本に触れて、のびのびと楽しんで頂ける場になりました。
親子で絵本と触れあうことが、子どもたちに与える影響とは?これからの可能性とは? ここでは「のびのび読み体験コーナー」で出会った子どもたちの様子をお伝えしながら、ポプラ社担当者によるインタビューをお届けします。
■親子のコミュニケーションをより深める絵本体験をしませんかI?
お母さんに絵本を読んでもらう0歳の赤ちゃんたち。絵本とお母さんの顔を交互に眺めながらキャッキャッとはしゃぎ、読み聞かせの声に反応するように足をパタパタと動かしています。おうちの人の声が聞こえるのがうれしいようでした。そんなお子さんたちを見ながら、自然と笑顔になっているお母さんたちも印象に残っています。また、初めてのお子さんでふれあい方がよくわからない…という方にとっても、絵本が良いコミュニケーションのツールとなっているようでした。
密度の高いコミュニケーションで、親子の関係をよりよいものにしてくれるのが絵本の魅力。「のびのび読み」のブースは、たくさんの絵本に囲まれて、親子のコミュニケーションを深める場所となっているようでした。
■書店に行けない方もゆっくりと絵本で遊んで欲しい!
音のなる絵本やブロック型の絵本などを順番に手に取り、舐めたり叩いたりして楽しむ赤ちゃんたち。それがどういうものなのか、直接ふれて確かめているようでした。赤ちゃんが字を読むようになるのはもう少し先ですが、大人とはまた違った方法で本に興味を示していることがわかります。
どんな絵本に興味を持つのかは、お子さんによって異なります。年齢によっても違いますし、年齢や性別でくくれないこともあります。我が子にあった絵本を選びたいところですが、書店ではカバーを折ってしまわないか、本を破いてしまわないかと心配。この様な場ならば、たくさんの絵本を一度に試しながら、お子さんの好きな一冊をじっくりと選んでもらうことができます。
■絵本を通して子どもの成長を見つめてみて下さい
すこし大きなお子さんになると、書棚から好きな絵本を選ぶ様子や、絵本を自分なりに工夫して遊んでいる姿も。絵本が「読みたい」「やってみたい」という意志を膨らませ、個性を引き出していることが伝わってきます。絵本を通じて「セリフを真似するようになった」「ページがめくれるようになった」など、お子さんの成長を見つめていくことができそうです。
たくさんの子連れファミリーが訪れ、あちこちで楽しそうな笑いが起きていた「のびのび読み」ブース。絵本の魅力を多くの方に知ってもらう場所として、大いに賑わっていました。
■担当者インタビュー
Q:「のびのび読み」の始まりとは?
A:約2年前から、赤ちゃんと本をもっと結びつけたいという主旨で始まり、最近は体験していただける場が増えてきました。今回のようなファミリー向けイベントには多くの親子がいらっしゃるので、もともと絵本に興味を持つ方だけでなく、「まだ絵本を読ませたことがない」「うちの子は絵本に興味がない」といった方にもアプローチできています。
Q:他の出版社とコラボした理由は?
A:今は、大人が多い場所で子どもが騒いではいけない、といった子育てしにくい環境があり、それが赤ちゃんと絵本を結びつける機会を失うきっかけにもなっています。他社さんには「子育ての環境をもっといいものにしていこう。絵本を広めるための活動を一緒にやろう!」という想いをお伝えしました。その結果、お子さんに選んでいただける絵本のバリエーションが増えたのはうれしいことです。
Q:特に絵本にふれることのメリットは?
A:赤ちゃんのうちから絵本にふれていると、本をよく読む子どもに育つことが多いようです。実際に、本をよく読むお子さんは赤ちゃんの頃から本に親しんでいることが多く、まだ字が読めないうちから本にふれることは大事だと感じています。また、絵本には独特の世界観があって、その世界観を親子で共有できますし、物語を通してお子さんの好奇心を伸ばし、想像力を高めることもできます。
Q:では、子どもの頃から読書をすることの良さとは?
A:絵本にリンゴが出てくると、多くのお子さんはリンゴを食べるフリをします。食べることは生活することであり、生活することは生きることですよね。それを理解できれば、人生は面白いものだよと伝えることができる。本とは体験であって、読書をすることは、すなわち社会とつながることだと感じています。
Q:これから目指すことは?
A:理想は、お子さんが興味を持ったらいつでも読めるように、おうちの中の手が届くところに本が置かれていること。本を読みたい時に本が読める環境が当たり前になったらうれしいです。少しでも多くの人が本のある生活を楽しめるように、本と子どもとをつなぐ活動をこれからも続けていきたいです。
取材・文:吉田有希
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