あの時、何が嫌だったのか今ならわかることばで伝えられる。
この本を読んだから。
悔しい、悲しい気持ち何もできなかった自分への怒り。
あぁ私は傷ついていたんだ。
これは、誰かの為には怒れるのに自分の為には怒れなくたっていた私に、
誰かのものでもない、私の人生を、今より少しかっこよく生きようと力をくれる物語。
私の、そしてあなたの為の物語でした。
きっと心の奥にしまっていた気持ちに気付きます。
あやふやなもやもやが当たり前に満ちる日常で、
不器用でも考えて疑問を言葉にする切実さにずっと胸が詰まる。
つまづいてもすぐに解決できなくても、
人生のスタートラインを引くのは、他人ではなく自分だ。
そんな大切な想いを繋くこの本が、必要としている沢山の手に届くことを願っている。
自分自身気付いていなかったこと、
いや気付いていたけど、本当のことから逃げてきたことが、
言葉となり、小説となり、見事に文章化されていた。
自分の心の奥にある傷みを掬いあげられたようで、
自分の過去、今、これからを考えた。
死は誰にでもくる。逃れることはできない。芥子実庵の由来がしみじみ心にしみる。
誰のせいにもしない。自分の本当を見つめて生きていこう。
間違っても、それは自分らしく生きたから悔いはない。
生きて死ぬ。普遍的なものが新しい意味を持って輝く。
新しい自分がこの作品を読んで生まれた。
誰もが避けては通れない“死”。
神聖で厳かなものとして語られる現場で、立ち働く人々の姿を通してあぶり出されたのは、私自身が隠す本音だった。
弱くて脆くて、醜い私。
それすら抱えて、「自分」を生きたいと思えたことを、ご都合主義だと思われても構わない。
傷つけ傷つけられ、不器用なままの私たちでもいいと、聞こえた声が熱く胸を焦がして消えない。
NET21セルバBRANCH岡山店 横田かおりさん
大事な人の死に直面した時の悲しみや絶望、無力感に根こそぎ自分を奪われ、誰かに寄り添ってもらいたいと願う時、思い出や昔話を共有できる友達がいてくれた事に救われるはず。
いつまでも心の中に生き続ける故人との別れを、
遺族に付き添い心のこもった丁寧な仕事ぶりとその気遣いが嬉しくて泣けてきた。
見送ったから終わるのではなく、生きている今、これからをもっと大切にしたいと思う一冊でした。
あおい書店(らくだ) 富士店 望月美保子さん
何年も逃げ続けたことが、ここには書いてある。後悔で押しつぶされそうになった時、言い訳を並べて、誤魔化してきた自分もここにいる。
でも、自分らしく生きたい、これ以上の後悔を残したくない、そう思ってこの一年気持ちを奮い立たせ挑戦してきた。もう逃げないと決めてから、ちょうど一年。
少し挫けそうになっていた背中を押して貰った。そして、心の片隅にそっと灯り続ける温かな光を、この作品から受け取った気がする。
それは、これからのわたしの原動力のひとつになるに違いない。
この物語との出会いに感謝したい。
未来屋書店 明石店 大田原牧さん
「自分らしく生きる」って言うのは簡単だけど実は結構難しい。
でも難しいからできなくてもしょうがないって諦めるんじゃなく、真奈たちみたいに沢山考えて沢山もがきたい。そういう生き方がしたい。
一編一編それぞれが胸に迫り、読み終わった今、熱い思いでいっぱいです。
挫けそうになったらこの本を開きたい。諦めないで、と明日への一歩を踏み出す勇気をくれるから。
たくさんの人に、この灯が届きますように。
紀伊國屋書店 鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織さん
この作品では死は誰にでも訪れること。そして遺された者達は、どんなに生きづらい中にいても生きていかなくてはいけないことが、痛い程ありありと描かれていました。
でも、どんなに悲しい最後でも、惨めだと思われる最後でも、その人を見送る私達の心次第で変わる事。どんなにクソな社会を生きていて、理不尽な目に遭わされて、心無い人に貶められても、どこかにわかってくれる人がいるかもしれない。それもまた自分の力いっぱいの一歩で変わるかもしれない。と、そんな少しの希望を与えてくれました。
頭では理解できても心が追い付かない。そんな状況をそっと照らしてもらえた気がします。
「夜明けのはざま」というタイトルがすごく好きです。私たちは夜明けを待ち望んで、ずっと夜明けのはざまを彷徨っている。でも、夜明けはすぐそこだよ。と、言ってもらえた気がしました。
TSUTAYA サンリブ宗像店 渡部知華さん
短編集だけどすべての世界がつながっていてハッと気づかれる本。
自分の毎日は他人からは必ずしも受け入れてもらえるものではない。
町田先生の文章はそんな自分でも分からないモヤモヤや葛藤を的確に描いていて凄かった。
なかなか自分自身を肯定してあげることは難しいけど、この本を読んで暖かな気持ちになり、前を向いて歩ける人がたくさん増えて欲しいと願いたいです。
コメリ書房 鈴鹿店 森田洋子さん
今のままでいいのかな、とモヤモヤを抱えてなんとなく日々を過ごしている人を立ち止まらせ、今を見つめ直すきっかけをくれる物語だと思います。
読後、自分の今まで、これからを見つめなおせた時、夜明けの光が見えたように感じました。
紀伊國屋書店 高槻阪急スクエア店 北辻祥子さん
追い詰められると、白か黒かになってしまうことがある中で、グレーを愛せるかどうか、決して妥協ではなく受け入れる強さもあるのか?
なかなかスッキリ…とは行かなくても、それでいい、共にはざまで生きていこう…。そんな声が聞こえてくるような物語だった。
みんな不器用、それを抱えて生きているんだなと感じられた。
AKUSHU BOOK&BASE 石田美香さん
読んでる途中で涙が出てきてその度に中断して、1話づつとゆっくり読みました。
それぞれの人生を歩いて出した答えは自分の中で、とても誇らしいのだと。
自分の情けなさに歯噛みしたことのない人間なんていない。
この言葉が凄く心に響きました。
宮脇書店 境港店 林雅子さん
ひとの死という重い題材にも関わらず1話1話、読後は前を向いていこうと思える傑作。
身近なひとの死は身を引き裂かれるようにつらい。
でもそのひとに胸を張ってわたしは生きていけたらと思う。
”Best of町田そのこ”と断言します!
くまざわ書店 名古屋セントラルパーク店 大洞良子さん
受け入れるのと、あきらめるのはちがう。
自分を作っている譲れない部分を真っ向から否定されたら、一緒いられるだろうか。
相手に変わってもらうか、自分が変わるか。お互いに変わることができないとしたら。
こうあるべきと世間に押しつけられたイメージを守っていた方が楽かもしれない。
でもきっと少しずつ息苦しくなる。自分が自分でなくなってしまう。
分かり合いたいと願っていてもどうにもならないことはある。
それは、自分のせいじゃないと思ってもいい。
後悔するかもしれないし、悩み続けるかもしれない。それでも、自分を殺してまで誰かと一緒にいなくてもいい。
正解なんて、生き続けている限り変わっていくものなのではないか。
SuperKaBoS 鯖江店 峯森和代さん
今までのどの作品よりも、大人でビターな作品だと感じました。
長く生きれば生きるほど、「喪失」と向き合う機会は多くなる。
それは「人」であったり、「自分」であったり、他の「選択肢」であったり。
自分はベストな生き方が出来てきただろうか?
今作を読むと人生を振り返させられるような、そんな魔力を感じました。
特に3章、4章、5章がお気に入りで、芥子の実の話や、自分の視野から見えてない部分に気付かされる展開に、身をつまされる思いでした。
「その人にはその人なりのしんどさや現実がある」
全部理解出来ないかもしれないけど、なるべく寄り添って考えて選択していきたいと思いました。
人生の岐路に立たされた時に、読み返したくなる一冊です。
ページ薬局 尼子慎太さん
今の私に必要な言葉がたくさんありました。
特に第4章の「椅子の話」には失ってしまったことばかり目を向けるのではなく、これまでの思い出を大切に持ち続けることが大事だと気づかせてもらいました。今すぐにとは無理ですが、安心して座ってもらえる椅子を用意して待てるよう思い出を大事にしていこうと思いました。
死というマイナスなイメージしかないテーマを描がいているはずなのに、どこか温かさを感じずにはいられない作品でした。
私の中で人生で一度は読んで欲しい作品の一つに加わりました。
くまざわ書店 イーアス春日井店 石川莉沙さん
佐久間と今の自分を何度も重ね合わせてしまった。結婚、出産、育児、家事…それらのために仕事から退くのは大半は女性で、それが私は悔しかったんだと気づかされた。
流されてしまったら、誰かの言う通りにすれば楽なのかもしれない。それでも、決して楽な道ではなくても、私はこれからも自分の戦場で戦い続けたいんだと再確認できた。
これから先、迷ってしまいそうになったとき、この本を何度でも開きたい。
物語を読み進める中で、「誰かと共に生きること」「大切な人を見送ること」について、じっくりと向き合う時間を過ごせた。
町田さんは、毎回最高傑作を更新し続ける。
私にこんな感情があったのかと不思議に思うくらい心の深いところに入り込んで、大切なことに気付くきっかけをくれる。
夜を切り開いていくのは他ならぬ自分なんだ。自分らしく生きるのは簡単なことではないけれど、どうすれば自分らしくいられるのか考え続けることは、これからも大事にしたいと思う。
明屋書店 喜田村店 高橋杏奈さん
「死」を通して、明日を「生きる」希望を見つける。
結婚、仕事、家族、友情…と、人は誰しも思い悩むことがあると思います。
でも、そんな悩みを抱えた主人公たちに朝日が昇るような、
前を向いて一歩踏み出すための希望の1冊だと私は思います。
未来屋書店 旭川西店 久保 夢希菜さん
主人公の真奈をはじめ、私自身の境遇を重ね合わせられる登場人物は誰ひとりいない。
…しかし、彼女たちが抱える痛みと希望が、私の根っこのようなものに絡みついて離れなかった。
おそらく読者に「共感」させるだけではなく、読者とともに「共振」する物語だからだろう。
仕事柄、それなりに読書はしているが、そんな物語には滅多に出会えない。
ただその分、町田さんがかなり身を削って書いたであろうことは想像出来る。
この物語をひとりでも多くの読者に届くことで、少しでも町田さんの心が満たされますように。
書店員の端くれとして、そう願わずにはいられない。
さわや書店 栗澤順一さん
どの主人公の物語も胸が苦しくなるお話でした。
今までの町田ワールドとはちょっと違う。
暖かく寄り添ってくれるというよりも、あなたの思うようにしていいよがんばれと言われているようなそんな気がしました。
真奈が最後の決断を下す勇気に拍手をおくりたい。きっと真奈はこれから素敵で無敵でかっこいい女性になるだろうと思う。
もう色々なことを諦め、世間一般はこうだからと思っていたけれど私も真奈みたいに決断できるそんな女性になりたい。
紀伊國屋書店 ゆめタウン廿日市店 中島伏美子さん
社会に流されて漂う一滴の感覚になりました。
三章に激しく胸を打たれこのリアルな痛みも、たくさんの人に読まれてほしい作品です。
夜明けのはざまに灯る希望が、これからの人生に強く優しく寄り添ってくれます。
心のままに新しい世界が広がりますように。
うさぎや 矢板店 山田恵理子さん
登場人物達と一緒になって、過去の自分が今の自分の背中を優しく押してくれる。
今この時も感じている不安や情けなさ、歯噛みしてる想いにさえ「大丈夫」と励ましてくれる。
そんな物語でした。
世間の常識や、誰かの常識の中で、
心から納得の出来る自分だけの唯一の正解を見つけていく事がどれだけ大切か。
探し続けていると必ず、後悔することや、自分が傷ついたり、逆に人を傷をつけてしまうことだってある。傷だって残る。
それでもその、探している「正解」と歩んでいる道にはとてもとても価値があるんだよと、教えてくれていました。
宮脇書店 金沢文庫店 気羅紗まどかさん
生まれ育った環境、性別…そんな自分ではどうしようもないことに足を取られつつも前に進もうとする登場人物たちに、勇気をもらえたような気がします。
特に結婚に関わるそれぞれの話には共感しかなく、理不尽だと想っていたことはやっぱり理不尽だし、戦いたいという思いは間違っていない、と腑に落ちました。
明屋書店 豊前店 加来智美さん
ままならない人生···。
それでも一歩前に踏み出した登場人物たちのように、
時間がかかっても諦めずに自分の道を進もうと思いました。
心に深く沁みる作品でした。
有隣堂 武蔵小杉東急スクエア店 床島千波さん
葬儀屋さんを舞台に様々な人が大切な人との別れを経験していく中で、
絶望や哀しみや後悔に苛まれながらも自分自身と向き合わなければならない過程が辛くもありましたが、
人は喪って失って喪失の繰り返しでも、
いつかきっと何かを見つけることができるのだと、
生きることに前向きになりました。
未来屋書店 新浦安店 中村江梨花さん
誰もがままならない時代をもがきながら、大なり小なり悩みを抱えながら生きている。
自分らしく生きたいと思っていてもなかなか思い通りにはいかなくて、あの時こう言えばよかった、こうすればよかったという後悔の繰り返し。
でも、そういう思いを抱えながらも少しずつでも前を向いて歩いていけばいいんだと思わせてくれるお話でした。
読んでいて辛い場面もあるのですが、最後は穏やかに心が凪ぐような、
とても振り幅の大きいストーリーが素晴らしい。
未来屋書店 りんくう泉南店 新家かほりさん
これは喪失の物語だ。そしてそこから進む人達の物語だ。
死という喪失に触れながら、気付き、教えられ、前を向く主人公達の姿に、言葉に出来ない感情が溢れた。
そして死という大きな喪失が中心にはあるが、それだけではなくて、取り返しがつかないと思った大きな失敗や挫折、その全てを肯定してくれている。
自分が失敗しても、失っても、誰かに想いが繋がり、残り、伝わっていく。
その進もうとした一歩が無駄ではなかったと教えてくれる。
決して優しい物語ではないけれど、とても優しさに溢れた、いい物語である。
虎ノ門書房 田町店 根本 隆仁さん
そばにある現実と境目が分からなくなるほどリアルだった。
本質を見失わなかった真奈を尊敬する。
決心する、ということはとんでもないエネルギーが必要だ。
彼女の勇気と決断に背中を押された気がした。
町田さんの本だ。静かにこころが熱くなった。
福岡金文堂 志摩店 伊賀理江子さん
価値観のズレってのが上の世代・下の世代でもあるし、同世代でも男女だったり貧富だったりいろんな理由で生まれる。
だから今はこれで良くても、変化しなきゃいけない時は来る。その過渡期にしっかりとバトンを繋げれるかということなんだと思いました。
地味で、目立たなくても途切れさせることなくバトンを繋いでくれる人の存在。そういう人はすぐには評価されないと思います。
後々、バトンが繋がり次の世代が走り出してから「あの人のおかげでスムーズに行けた」と感謝されるんだと思います。いや、スムーズに行き過ぎると案外、そうなるのが当たり前と思われて気付かれないかも。
でも、いま全力で走れる世代がいるのは間違いなくそういう人たちの存在あって。
だから自信を持って言ってください「先に行け!」と。これを言える人は最高に恰好イイ!
紀伊國屋書店 仙台店 齊藤一弥さん
私が町田さんの作品を好きなのは、
辛いことも、苦しいことも、きちんと描かれていて、
綺麗ごとだけじゃない、人生の真実のようなものを見せてくれるからだと、この作品を読んで気づきました。
そして、そんな人生の真実の間からのぞく希望に、明日を生きる勇気のようなものをもらえるのです。
息をするように自然と、乾いた砂が撒かれた水をぐんぐん吸い込んでいくように、この作品は私の中にすんなりと溶け込んできました。
自分にとって一番大切なものは何かを考え、真奈のように何かを失っても決してぶれない軸を持っていたいと思わずにはいられませんでした。
私にとって人生の指針となるような作品だといっても過言ではありません。
幕張 蔦屋書店 後藤美由紀さん