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ほぼ週刊連載 幡野さんの日記のような写真たち

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 今年の3月10日に東日本大震災でたくさんの方が津波で亡くなった砂浜を訪れた。

 行方不明者の手がかりを捜索する警官隊や、取材をするマスコミ関係者、喪服を着たご遺族らしき方もいる。この日はとても風が強い日だったので、細かい砂が噴き上げられ目を開けていられないほどだった。それでもたくさんの人が海の先を無言で見つめていた。

 浜からすこし離れたところに大きな慰霊碑があった。慰霊碑にはたくさんの名前と年齢が刻まれている。自分の妻とそう変わらない年齢の女性の名前の隣には、おなじ姓の4歳と2歳の子どもの名前があった。

 慰霊碑には全体的にうっすらと噴き上げられた細かい砂が積もっている。だけど女性とお子さんの名前のところには、砂が積もってはいなかった。きっとご遺族の方が刻まれた名前を指でなぞったのだろう。寝ている子どものあたまを撫でるように、慰霊碑の名前を撫でたのだろう。おなじように砂の積もっていない名前がいくつもあった。

 翌日の3月11日は気仙沼を訪れた。昨日の強風はおさまって、よく晴れて春のような日差しだった。この日はたくさんの人の命日でもある。じゃあ街がお通夜のように暗い雰囲気かといえばそんなことはない。

 商店や喫茶店は人で溢れて、大型連休の初日のような雰囲気すらある。スーパーの駐車場にある焼き鳥屋さんの店主に話を聞くと「今日はすごい売れてる。」と教えてくれた。

 気仙沼でお世話になっている民宿を訪れると、お正月の挨拶のように近所の人が訪れ、みんなで会話をしたあとに海で一緒に黙祷をした。「私たちも笑顔になっちゃいけないって思ってたんだけど、そうじゃなくて明るく生きたいんだよね。」といっていた。

 現地を訪れないと吸えない空気感がある。いつか妻と息子を連れて行ってあげよう。

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