森の茶屋 みんながあつまる たのしいお店
2008年10月22日更新
Vol.3 森の茶屋 meets☆ 「くらげや雑貨店」 ~くらげや全国諜報部員 大ぼしゅう!~
秋も深まるポプラの森。 その奥の奥にある一軒の茶屋からは、今日もおいしそうなおだんごのにおいが…… ……してないなあ。 たぬきばあさーん、あれ? だれもいません。留守なのかなあ。
ところかわって…… ここは、東京都武蔵野台地のとある商店街、「あやかし横丁」。 かわったお店ばかりのこの商店街に、見慣れない姿。 赤い着物からはみ出たシッポがゆれている……って、ええっ!?!? たっ、たぬきばあさん!? たぬばあ「ちょっと、みんなニュース見た? 日本人のノーベル賞受賞ラッシュ! すばらしいわね~~~!! わたしなんて連日、感動とうれしさと尊敬のあまり とびはねすぎて、2キロもやせちゃった! でもね……。なにより心をうばわれたのは、もちろん、あ・れ・よ! オワンクラゲ~~~~~~~~っっ♥♥ わたしは今、オワンクラゲが猛烈にほしいの! あの優美なフォルム。緑色にぼわっと光る、かわいこちゃん! ほしいわ~。ぜったい、かわいがっちゃうんだからっ! 名前もきめてあるのよっ! ゴハンちゃ~~ん♥♥♥♥! てなわけで、たどり着いたのが、ここ、その名も「くらげや雑貨店」!!! ここならきっと、オワンクラゲもとりあつかってると思うの。 くらげや、っていうくらいだもんね! それにしても、なんだか怪しそうなお店ねえ……。 まずはこっそり、しっかり、そしてちゃっかり、 Let’s! の・ぞ・き・見!!」
「くらげや雑貨店」シリーズより 長谷川光太・作/椿しょう・絵
左から、鯖江(さばえ)・雪丸(ゆきまる)・ミライ(主人公)・鬼怒川(きぬがわ)
鬼怒川「どうしたのミライくん? いつもに増してシケた顔して。ちっともかわいくないわよ!」 ミライ「……」 鯖江 「(ひそひそ声で)どうもミライくん、せっかくHPが新しくなったのに、 まだ1通もお便りが来ないのを気にしてるみたいなんですよ」 鬼怒川「ええっ、ミライくん、まだ1通ももらってないの!? わたしも鯖江くんも 毎日たくさんもらってるのに……」 鯖江 「き、鬼怒川さん、シッ」 ミライ「うそっ、鬼怒川さんも鯖江さんももらってるの?」 鬼怒川「もちろんよ。だってワタシは女優ですもの。『美しくて有能な鬼怒川さんの ファンです。がんばってください』『2巻で、刑事になった鬼怒川さんにホレました。 ぜひ舞台を見に行きたいです』なんてファンレターがひきもきらないわ、ホラ」 鯖江 「ごめん、ミライくん。黙ってたけどボクも結構もらってるんだ。『眼鏡の奥に見える 知性が素敵です』『物知りでやさしい鯖江さんが家庭教師だったらいいのにな。 宿題を教えてもらいたいです』だって、照れるな、アハハ」 鬼怒川「『鬼怒川さんと鯖江さんはつきあっているんですか?』っていう質問もあったわ。 ズバリ、それはありません。なぜなら好きな男性のタイプは、日本銀行券を たくさんコレクションしている人だから」 鯖江 「『鬼怒川さんは酔っぱらうとすごいですね。鯖江さんがかわいそうでした』 ってのもありますよ」 鬼怒川「ぬうう。『笑小町の怪しいほほえみ』のときのあれは一生の不覚だったわ!」 ミライ「ふ、ふたりともそんなにもらってるんだ。ぼく、主役なのに……」 店長 「わたしは、『オヤジギャグ最高! すまん、すまん、トーマス・マン、 クラスでひそかに流行っています。レッドカーペットに出ればいいのに』 というお便りをもらったよ」 ミライ「店長まで! しかもあんなにわかりにくいギャグにファンが!?」 店長 「それから、雪丸宛に極上地鶏を送ってくれた宮崎のHくん、どうもありがとう!」 雪丸 「♪(うれしそうにしっぽを振る)」 ミライ「ええっ、雪丸にも!? ……手紙もらってないの、ほんとにぼくだけなんだ……。主役なのに……」 鬼怒川「ミライくん、人望ないわね~。けっこう影うすいもんね。 あこがれの百花ちゃんにも相手にされてないみたいだし」 鯖江 「鬼怒川さん、ホントのこと言っちゃかわいそうですよ」 店長「ミライくん、コツコツと努力することだよ。 そのうち、手紙を送ってくれる親切な人が見つかるはずさ」 鬼怒川「そうよ、くらげやが誇る全国の諜報部員に頼んだら、そんな奇特な人を捜して くれるかもしれないわ」 店長「これ、諜報部の私用は禁止だよ」 鯖江 「残念だねミライくん。でもそういえば、読者のみなさんに諜報部員募集のお知らせが あるんじゃなかった?」 店長「おっと、そうだそうだ、ソーダ・ファウンテン。 くわしくはこちらのポスターを!」
くらげや全国諜報部員募集!くらげやこと「古今東西珍奇品田舎館」は、 ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな、 めずらしいものを扱っています。くだらなくてもOKです。 ・身のまわりのアヤシイ伝説 ・ふしぎな物体 ・おいしい名産品 などがあったら、ぜひ教えてください。 抽選で、くらげや諜報部員認定証として、 くらげやステッカーをさしあげます☆ 応募はこちらから→→メールフォーム または、 〒160-8565 東京都新宿区大京町22-1 ポプラポケット文庫編集部気付「くらげや」行き までお送りください。お待ちしてます!
鬼怒川「ついでにミライくんへのはげましのお便りもよろしくね!」 ミライ「鬼怒川さん、ついでって……」 鯖江 「くらげやではあなたのお宝鑑定もいたします。 "くだらすごい"あなたのコレクションを教えてください」 鬼怒川「よっ、鯖江くん商売上手! さすが西荻商科大生!」 ミライ「もうっ、このコーナー、ぼくいいとこ全然ないじゃないですか! みなさん、好評発売中の 『くらげや雑貨店 "くだらスゴイ"ものあります』と 『くらげや雑貨店 笑小町の怪しいほほえみ』 をぜひ読んでくださいね。ぼくが、一応活躍してます!」 鬼怒川「あっはっは、ミライくん、 一応って、自分で言ってちゃ世話ないっつーの!」 *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** たぬばあ「…………アハハ、アハハ。 あ~~~おっもしろいわね~、くらげやの人たち。 って、あれ、もうおしまい? くらげは? わたしのオワンクラゲは??? この店『くらげや』なのに、全然くらげ、売ってないじゃな~~~~~い!!!! ゴ、ゴ、、、、ゴハンちゃん……。 ぐ、ぐすっ、ずずずっ。」 しょぼーん。がっくりとうなだれる、たぬきばあさん。 まぁるい背中に、真っ赤な夕日が射しています。 たぬばあ「ぐずっ、ぐずっ。 グッバイ、マイ ラ~ブ♪ このまち~かどで~~♪(byアン・ルイス) ……ううっ、ううっ。」 たぬきばあさん、泣かないで~~~っ! たぬばあ「はあああ。そうね……元気ださなきゃ! ぐずっ。 元気がないタヌキなんて、わ、わたしらしくないもの。 ぐずっ。 よし! 気を取りなおして、ミュ、ミュージック チェ~ンジ! なみだな~ど~、み~せない~~♪ つよ~きな~あな~たを~♪♪(by竹内まりや)」 すごすご。すごすご。 殊勝にも、自分をはげましながら踵(きびす)を返しましたが……、 ふと、立ち止まりました。 たぬばあ「はっ。ちょっと待って。 あの、鯖江さんが持ってきたダンボールから出てきた、あの茶釜(ちゃがま)……、 まさか……あれは…… ブ、ブンブク師匠!?!?! う、うそでしょ!? でも、もしそうだったら…… ブンブク師匠~~~~っっ!! 今いくわ~っっ!!」 めくるめく「くらげや」の謎にほんろうされる、たぬきばあさんであった。(完) *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** 森の茶屋と「くらげや雑貨店」の夢のコラボ企画、楽しんでもらえましたか? 本格・おたからさがしアドベンチャーから、最高級のオヤジギャグまで――― ご当地グルメもまんさいの、「くらげや雑貨店」シリーズ!! 第3巻は、“くだらすごい”度がますますパワーアップする予定です!! ^_^/ おたのしみに~☆☆
バックナンバー
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