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バイロン・バートンの絵本が今、復刊された理由とは?赤木かん子さんインタビュー

『バートンの のりものえほん』などで知られる作家、バイロン・バートンの絵本『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』『うちゅうひこうしになりたいな』『はたらくくるま』の3冊が復刊されました。



復刊に携わったのは、児童文学評論家の赤木かん子さん。これらの本を復刊する理由や、子どもたちを惹きつけてやまない本の魅力や楽しみ方を聞きました。また、図書館改装をする中で見つけた、子どもたちにあるべき読書習慣についても、興味深いお話を伺うことができました。



繰り返し読むのに向いているバートンの絵本

――赤木さんが最初に出会ったバイロン・バートンの絵本とは?

赤木 1990年に祐学社から刊行された『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』と『うちゅうひこうしになりたいな』です。宣伝をしなくても売れるような超優良商品でしたが、出版社の都合で廃刊に。その引き取り先を探していたとき、書店で『はたらくくるま』を見つけて、その内容に感心したんですよ。インターコミュニケーションズから3冊同時に復刊することになり、そのインターコミュニケーションズの絵本部門も終了されたので、ポプラ社から復刊されました。

――今、復刊させようと思われた理由は?

赤木 この3冊には共通して「働くこと」が描かれています。今の子どもたちって、働くことにすごく興味があって、しかも本質的なものを求める傾向がある。この本はすごくまっとうに働いている人たちの姿が描かれていて、このまっとうさが今の子どもたちに受け入れられると感じています。対象年齢は2歳くらいから。たくさんの大人が子どもたちに読んであげてほしいなと思います。

――『はたらくくるま』のどんなところに感心されたのでしょうか。

赤木 働く人たちに、白人、黒人、プエルトリコ人、メキシカンといった人種が混じっていること。男の人も女の人も混じっています。たとえば、ブルドーザーを女の人が運転していたり、人種・性別関係なくみんなで仲良く並んでお昼ご飯を食べていたり。当時、アメリカやイギリスではこういうことが配慮されるのを知っていましたけど、日本の子どもの本にはそういう配慮はなかったですね。たとえば、校庭で遊んでいる子どもたちの絵の中には外国の子がいない、でも現実にはたくさんいるわけですよ。



――『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』『うちゅうひこうしになりたいな』にはどんな魅力が?

赤木 繰り返し読めること。2歳を過ぎると「もう1回読んで」っていう時期があると思うんです。実際に、何十回と繰り返し読んだこともありますよ。子どもには、満足するまで読んであげることが大事で、繰り返し読むのに向いている本があるんですよ。『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』では恐竜発掘の仕事が描かれているんだけど、「ほねはないか、ほねはないか」で始まり、「きょうもほねをさがしてあるく」で終わるから、また前に戻って読むことができます。

――ずっと読み続けることができますね。読み聞かせで、特に子どもたちが反応するページがあるのでしょうか。

赤木 ありますよ。『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』だったら、恐竜の名前を羅列したページ。これが案外大変で、大人が読むと噛むの(笑)。でも子どもたちの脳は優秀なので、一回で覚えてしまいます。「ア」と言うだけで「アンキロサウルス」と続けてくれるんです。このように図鑑のような要素も入っていて、初めて出会う博物学の本としても最適です。



――繰り返すということが、働くことの本質をついているようにも受け取れますね。

赤木 本の中では、骨の研究をして、探してきた骨をちゃんと恐竜になるように組み立てている。ワクワクしたまま1日を終えて、またワクワクした1日が始まるんです。ワクワクしていれば、一生は一瞬。まずは一瞬の楽しいこと。楽しさを知っている子どもはタフになります。何の理由もなく、生きていることはいいことだと確信できるから。小さい子どもたちにとっては、楽しいかどうかが基準。何十回も読み聞かせをする大人は退屈だけど(笑)。子どもが電車好きだったら、毎日同じ電車を見るために、大人も一緒に踏切のそばで3時間立ちっぱなしになったりするでしょ? 電車に轢かれたら困るからね。それが大人のフォロー。大人は楽しんでいる子どもの顔を見て楽しむんです。


子どもに必要な本、必要な読書とは?

――図書館の改装などもされる中で、読書が子どもたちにどんな影響を与えると思われますか?

赤木 絵本の文章って、文法を使った文章体ですよね。「むかしむかし、おじいさんとおばあさんが住んでいました」という。話し言葉は毎日使っているから自然と身につくけど、文章体というのは、それをたくさん聞かないと自分で使えるようにはならないの。それがなかったら、読んだり書いたりすることができない。

――子どもに読み聞かせをすることは大切なんですね。

赤木 しかも、たくさんの本を読んであげないと。物語だけじゃなくて、図鑑のような本も。毎日図書館に連れていって、子どもから「読んで」と言われるがままに本を読んでいれば、6歳までにだいたい1万冊の本を読むことができるんです。すごいでしょ?

――すごいですね。バイロン・バートンの本には物語が入っている上に、図鑑のような要素もあります。

赤木 ただ、本を選ぶときに大事なのは、子どもに合わせること。親が選んだ本ではなく、子どもが読んでほしいという本を読めばいいんです。子どもが自分で、そのときに気になった本を持ってきてくれるから、すごく簡単なこと。

――子どもが気になる本を読んであげるだけで、1万冊の読書ができると。

赤木 今の小学1年生に子どもの図鑑を見せると、「これじゃなくてぇ!」って言われるの。今の子どもたちは本質を求めているから、大人の図鑑を読みたがるんですね。イラストではなく、本物の写真が大きく載っている本。本物の写真から受け取る情報ってすごく多いんです。小学3年生までは勉強の基礎として、鳥とか昆虫とか宇宙といった、目に見えて具体的な自然科学に興味があります。その後は社会性が入ってくるから、男の子はだいたい戦国武将、女の子は友情とロマンスに興味を持ちます。

――子どもたちは、自分で必要なものを選り分けているんですね。

赤木 私は今、小学1年生に、百科事典の引き方と、報告書の書き方、自然科学の分類まで話していますよ。スポンジが水を吸収するように理解しています。情報の取り方さえ教えれば、あとは必要な知識を取ってくれますから。ただ、そういう子を育てるには、本物の本が並んでいる図書室が必要ですね。以前、幼稚園と保育園の図書館を作り直したとき、その園から小学校に上がった子どもたちは、4年生の子どもたちよりも知識が豊富になっていました。毎日のように本を読んでいたんでしょうね。

――本を繰り返し読み、毎日のように読書を続けることが、子どもたちには大事なんですね。

赤木 そうですね。周りの大人たちは、子どもの気持ちを支持して、好きな本を好きなだけ読んであげれば、その子は自然といい方向に伸びていくと思います。

文/吉田有希


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