あんびる先生のお手紙

あんびる先生からみんなに、お手紙が届いているわ!

2012.04.18

南フランスのおはなし

プロヴァンスの修道院。手前にラベンダー畑が広がっています。

読者のみなさん、こんにちは。
もうすっかり春になりましたね。
いよいよ「魔法の庭ものがたり」のあたらしい本を、みなさんにお届けできることになり、とてもうれしいです。
あたらしい本をずっと待っていてくれた読者のみなさん、ありがとう!
そんなみなさんに、「女王さまのむらさきの魔法」をもっと楽しんでもらえるミニ知識をお伝えしようと、このおたよりを書きました。
それは、ジャレットのパパとママからのお手紙のことです。

パパとママは世界中のいろいろな場所から手紙やプレゼントを送ってきてくれますね。
オランダや、オーストラリアからも、手紙が届いたのをおぼえていますか?
今回パパとママがジャレットに手紙を書いた場所は「南フランス」。
物語のなかではくわしく書くことができませんでしたが、どういうところなのかしら、いってみたい、といろいろ想像した読者のみなさんも多いのではないでしょうか。
実は、「南フランス」はハーブの畑が多く、精油やハーブ薬をつくる地方として世界的に有名な場所なのです。
「魔法の庭ものがたり」を書きはじめてから、わたしも一度「南フランス」へ旅にいきました。
ですから、ジャレットのパパとママのかわりに、このおたよりを読んでくれているあなたへわたしから「南フランス」のことをちょっぴりお伝えしようと思います。

「南フランス」のなかでも、ハーブの畑が多いのは「プロヴァンス」とよばれる地方です。
なかでもオリーブとラベンダーの栽培が有名で、6月末~7月には、海のように広がるラベンダーの花のじゅうたんを見ることができるそうです。
村々が「ラベンダー祭り」をするのも、このころ。残念ながらわたしがいったのは5月だったので、ラベンダーを見ることはできませんでした。
けれど、白い岩はだや石の見える土地に広がる草原や細長くそそり立つ杉の木、ハーブの畑や野の草花を見ているだけでもじゅうぶんに美しく、そこにミルク色の霧がかかると、まるでお城の壁をかざっているゴブラン織りのタペストリーを見るようでした。
また、プロヴァンスには育てたハーブから精油を作る工場もあり、村々にはそんなハーブや精油、そしてもうひとつの特産品オリーブのオイルで作った石けんを売るお店がたくさんあります。そんな店のなかは、まるで魔女の薬づくりの部屋のよう。
そうそう、お店ではもちろん「ラベンダーバンドルズ」を買うことができますよ。

さあ、あなたはジャレットのパパとママが見た風景を、思いうかべることができましたか?
今回のおたよりはここまで。
では、またつぎの本でお会いしましょう!

 ※写真は、プロヴァンスの修道院。手前にラベンダーの畑が広がっています。

 


あんびる やすこ