一般書(69)
ぼくは君たちを憎まないことにした
パリ同時多発テロ事件後、フェイスブックで世界を駆けたメッセージがあった。妻を奪われた夫が、小さな息子と紡ぐ人間の希望。
発売年月 |
2016年6月 |
ISBN |
978-4-591-15090-0 |
判型 |
四六判 |
サイズ |
195mm x 135mm |
ページ数 |
150ページ |
主な対象年齢・学年 |
一般
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本の種類 |
単行本
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定価 |
1,320円(本体1,200円) |
【 内容】
昨年11月、パリで同時多発テロ事件が起き、130人以上の死者が出る惨劇となった。このテロで妻を失った著者は、フェイスブック上でテロリストに「憎しみを与えない」と宣言、メッセージは世界を駆け巡り、3日間で20万回以上も共有された。暴力と混乱のなかに灯された言葉、人間の尊厳――。最愛の妻をテロリストに奪われた夫が、小さな息子と共に生きる希望を綴じ込んだ、胸をゆさぶるドキュメント。
【著者】アントワーヌ・レリス
1981年5月21日パリ生まれ。ジャーナリスト。元France Info、France Bleuの文化担当記者。2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件で、バタクラン劇場にいた妻エレーヌ・ミュヤル=レリスを失う。130名以上の死者が出たテロの衝撃に恐怖と憎悪の言葉が飛び交う中、著者はフェイスブック上にテロリストに宛てた手紙を公開。最愛の人を奪った彼らに、自分の憎しみも17か月になる息子メルヴィルの憎しみも与えない、と宣言した。そのメッセージは世界を駆け巡り、3日間で20万回以上も共有された。事件から約2週間の日常の中に、幼い息子と共に生きる希望を綴り込んだ本書は、胸を揺さぶる稀有なドキュメントである。
【訳者】土居佳代子
青山学院大学文学部フランス語フランス文学科卒。主な訳書に、『手縫いの魔法II』(求龍堂)共訳『ヴェルサイユの女たち』(原書房)等がある。
【目次】
野蛮な夜
待つ
てんとう虫
ほかの原因も……
妻に会う
演奏の準備ができた
ぼくは君たちを憎まないことにした
時間の主人
手作りの料理
N
頑張って
指先
落ち込む権利
遺品の整理
メルヴィルの手紙
物語の終わり
ママがいる
訳者 あとがき