一般書(811)
生きぞこない
エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記
巨大IT企業のエリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記。「生きぞこなって」すべてを失った著者がたどり着いた「場所」とは?
発売年月 |
2012年6月 |
ISBN |
978-4-591-12937-1 |
判型 |
四六判 |
サイズ |
188mm x 128mm |
ページ数 |
215ページ |
主な対象年齢・学年 |
一般
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本の種類 |
単行本
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ジャンル |
ノンフィクション
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定価 |
1,540円(本体1,400円) |
あぁ、これが地獄というものか…!
巨大IT企業のエリートビジネスマンが、
身を粉にして働き、
ときに上司の秘書と男女関係を結ぶなど
あらゆる手を尽くし出世に奔走する。
2500人の同期社員を押しのけ、
ついには700名もの部下を抱え、
人もうらやむような高額年棒とステータスを得る。
しかし、担当していた部署が中国企業に
買収されたのをきっかけに退社。
その後、彼はジェットコースターのように
奈落の底へと墜ちていく。
別れた彼女にあげた分譲マンションのローン、
2000万円のポルシェ(うち、1000万は改造費)、
銀座和光を貸し切って購入した高級時計の数々…
それらの借金が1億1000万円にのぼっていたのだ。
当初こそ、次々と超有名企業に
高額年棒で転職できていたものの、
すぐに辞めさせられてしまう始末。
ついには、駅前のドラッグストアやカレーうどん屋でバイトし、
同棲相手のわずかな収入をあてにヒモのように暮らす日々。
そして、双極性障害(躁うつ病)を発症し、
自殺未遂、自己破産……。
いったい、彼はどこで「生きぞこなって」しまい、
地獄を見ることになってしまったのか?
彼をここまで迷わせてしまった、
「会社」というものは何なのか?
また、そんな彼を救ってくれたものは何だったのか?
混迷の時代に、
どんなにかっこ悪くても這い上がっていく勇気を
与えてくれる衝撃の一冊!
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(前書きより)
「きれいな歯してますね」
僕は人からよく、そんなふうに言われる。
でも、言ってしまおう。
僕の歯はほとんど総入れ歯。
自分の歯は下の六本のみだ。
二〇〇九年九月十二日、
僕は睡眠薬自殺を図った。
最後にメールを送った知人の機転ですぐに発見され、
意識不明のまま病院に搬送された。
僕の口は固く閉じられていて、
胃洗浄のチューブを通すためには
歯を粉々に砕くしかなかったのだ。
こうして、僕は生きぞこなった挙げ句、死にぞこなった。
いったい、僕はどこで間違ってしまったんだろう?