一般書(716)
小指のおかあさん
耳が聴こえない子どもの母親が、日本で初めての「手話で学ぶことができる学校」を設立するまでの8年の感動の物語。
発売年月 |
2011年2月 |
ISBN |
978-4-591-12265-5 |
判型 |
四六判 |
サイズ |
188mm x 128mm |
ページ数 |
199ページ |
主な対象年齢・学年 |
一般
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本の種類 |
単行本
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ジャンル |
ノンフィクション
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定価 |
1,430円(本体1,300円) |
2008年4月。
東京都品川区八潮に、聞こえない子どもたちが手話で学ぶことができる
私立の学校「明晴学園」が開校しました。
開校式会場には、静かな拍手が鳴り響いていました。
「きらきら星」のように手をひらひらさせること、
それが手話の拍手です。
先生を真っ直ぐ見るそのまなざしは真剣そのもの。
明晴学園の子どもたちは情報を目で捉えるため、
いつも話す人に真っ直ぐ視線を向けています。
この手話の学校設立のために、走り続けた人がいます。
本書の著者であり、「明晴学園」理事の玉田さとみさんです。
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彼女の次男が1歳9カ月のとき、重度難聴だと診断されました。
「努力して、聞こえる人に近づこう」という教育を行ってきた
従来のろう教育に疑問を持ち、
「全国ろう児をもつ親の会」を立ち上げました。
思いを同じくする親たちとともに、
誰もが個性を尊重し合い共に生きることができる社会を
つくるために走り続けたのです。
8年もの月日がかかりました。
行政や教育界への働きかけを続け、市民を巻き込み、
集めた寄付は約1億1,000万円。
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手話では、人差し指で軽くほおに触れ、
小指を立てると「おかあさん」です。
そっと見ていると2歳になったばかりの次男が、
右手で左手の小指を立てようとしています。
でも、小さい子どもにとって小指を立てる動作は難しいのです。
突然! 左の小指を右手でギュッとつかんでほおに当て走ってきました。
「おかあさん!」
小さな手ではじめて読んでくれた「おかあさん」です。
あの日から、8年。
あきらめずに続けたことで、みんなが夢見たみんなの学校ができました。
日本初!
手話で学ぶことができる私立の学校「明晴学園」誕生の物語。
希望にあふれた社会を、人を信じることの大切さを感じることができる感動秘話。
マイナスをプラスに変えて、夢を叶えた奇跡の物語
誰もが、夢を叶えるために動きたくなる。
そんな力が湧いてくる一冊です!