ノベルズ・エクスプレス(8)
ヘヴンリープレイス
期間限定の秘密基地――緑ふかい公園の廃屋で、学校や家に居場所のない少年少女たちが友情を育む。社会における子どもの立場を考えさせる問題作。
発売年月 |
2010年7月 |
ISBN |
978-4-591-11957-0 |
判型 |
B6判 |
サイズ |
189mm x 135mm |
ページ数 |
206ページ |
主な対象年齢・学年 |
小5
小6
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本の種類 |
児童向け単行本
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ジャンル |
児童読み物(国内)
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定価 |
1,320円(本体1,200円) |
引っ越してきたまちで、和希は暮らしに悩みを抱えた少年少女たちと出会う。
親の虐待にあっている英太、児童擁護施設を抜け出してきた史生、登校拒否中の有佳。
彼らを救いたい――でも助けられないのは、自分が子供だからなの?
クラスメイトをいじめていた自分自身、両親、そして社会に目を向け始める……。
それぞれ過酷な境遇にありながら、しかし彼らは明るく、あたたかなふれあいが続く。
緑ふかい林の中ですごした、天国のようなひと夏の物語。
今年度坪田譲治文学賞を受賞した、濱野京子の渾身の最新作!
板敷きの廊下は、砂ぼこりでざらざらしていた。
靴下がよごれそうで、ぼくはできるだけつま先立ちで歩いた。
「英太?」
中から声がした。女の子の声だ。
(本文より)